オンラインカジノによる違法賭博が日本のスポーツ界でも他人事ではなくなっている。プロ野球では今春、8球団16人が違法賭博に手を染めていたことが判明し、6月には西武の4選手が球団職員1人とともに埼玉県警に書類送検された。
オンライン上での違法賭博を巡っては、フジテレビの現役社員が逮捕されたほか、芸能界への広がりも報じられるなど、広く社会問題化する。オンラインカジノの中にはスポーツを対象としたスポーツベッティングも存在し、海外のサイトが日本の居住者向けに日本語で運営したり、日本のスポーツを賭けの対象にしたりしていることがあり、それらの市場規模は4.9兆円に上るというデータもある。
スポーツベッティングでは、選手や審判に八百長などの不正の持ちかけや脅迫、誹謗中傷などを受けるリスクも伴い、すでに競技によっては処分者や逮捕者も出ている。スポーツ界には一般社会以上の高潔性が求められる。
日本でも相次ぐ摘発
「賭博に該当することと十分周知できなかったことを深く反省しております」
報道によれば、プロ野球・西武の奥村剛球団社長は選手ら5人が書類送検されたことを受け、親会社の西武ホールディングスが6月24日に開いた定時株主総会で謝罪した。
オンラインカジノを巡っては昨年、米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手の元通訳だった水原一平氏が、大谷選手の銀行口座から巨額のお金を不正に引き出して違法な賭博に使っていたことが大きなニュースとなったが、「海の向こう」の話ではなかった。日本のプロ野球では、オリックスの山岡泰輔投手がシーズン前、一昨年までの海外オンラインカジノ利用が発覚して大阪府警に単純賭博容疑で書類送検された(その後に不起訴処分となった)。
オンライン上には、スポーツベッティングを扱うサイトも数多く存在する。欧米諸国や米国の一部の州で合法化され、スマホやパソコンなどで手軽に賭けられることから利用者が増加。試合結果だけでなく、選手の成績や試合展開に応じてオンタイムの賭けもできる。没頭すると金銭感覚も麻痺して抜け出せなくなる依存症リスクも懸念される。
