6月に死去した読売巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんの追悼試合が8月16日、巨人-阪神戦で行われる。試合前に行われる追悼セレモニーが行われ、巨人軍の監督・コーチ・選手全員がミスターの背負っていた背番号「3」のユニホームを着用する。
選手としても監督としても記録にも記憶にも残る活躍をした長嶋さん。そのプレーや言動は私たちに強い印象を与え、今でも語り継がれる。
長島さんは同世代の〝ライバル〟である野村克也氏や、野球日本代表「侍ジャパン」監督として世界一に導いた栗山英樹氏、現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏にも大いに影響を与えた。
「ミスタープロ野球」長嶋茂雄氏の功績や、長嶋さんの〝教え子〟たちの躍動を伝える記事を紹介する。
<目次>
・〈追悼・ミスタープロ野球〉長嶋茂雄が愛されたのはなぜ?昭和、平成、話題を独占し続けた男の魅力(2025年6月3日)
・【追悼・長嶋茂雄さん】生粋のドラゴンズファンから見たとんでもない「残酷」な魅力とは?(2025年6月10日)
・「最低」選手だった栗山英樹がなぜ世界一の監督になれたのか(2023年3月29日)
・ビッグボス新庄剛志に野村克也はどうボヤくだろうか(2022年2月12)
・最下位低迷の中日に「オレ流」落合博満は必要なのか(2022年9月28日)
〈追悼・ミスタープロ野球〉長嶋茂雄が愛されたのはなぜ?昭和、平成、話題を独占し続けた男の魅力
プロ野球・巨人軍の選手、監督として活躍し、「ミスタープロ野球」と呼ばれた長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督が3日、亡くなった。89歳だった。現役時代は巨人軍のV9時代に「4番・三塁」として背番号3はまばゆい輝きを解き放った。
プロサッカー、Jリーグが開幕した1993年に2度目の監督に就任すると、低迷が懸念された野球人気を再び押し上げた。後に米大リーグでも活躍した松井秀喜氏を熱血指導し、最大11.5差を逆転してリーグ優勝を飾った96年の「メークドラマ」などで盛り上げた。
昭和、平成、令和の時代を生き、戦後の日本において、野球を国民的娯楽へと押し上げた時代の立役者だった……
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【追悼・長嶋茂雄さん】生粋のドラゴンズファンから見たとんでもない「残酷」な魅力とは?
巨星、逝く。
長嶋茂雄のことだ。
やっぱり大スターだった。そう認めざるを得ない。たとえ量子のレベルから生粋のドラゴンズファンかつアンチ・ジャイアンツの筆者であっても、そこは肯じるしかない。
なぜか。まず、スター性だ。
華があった。成績より「華」だ。まるでAO入試のようだが、案外、人ってこっちの方が好きだ。
長嶋のプレーを現在進行形で見た野球少年たちにとっての最高のポジションといえば「3番サード」だった……
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「最低」選手だった栗山英樹がなぜ世界一の監督になれたのか
日本中を歓喜と感動に包んだ野球の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。栗山英樹監督率いる侍ジャパンが決勝で米国を破って3大会ぶり3度目の優勝を飾った。東京での1次ラウンドから7戦全勝。しかも米マイアミでの決勝戦は、全員メジャーリーガーをそろえた米国代表の「ドリームチーム」をねじ伏せての勝利だった。
今回の日本代表は、大谷翔平やダルビッシュ有ら大リーガー4人に、昨年最年少三冠王となった村上宗隆、完全男・佐々木朗希ら国内組を融合させた史上最強の布陣といわれた。その黄金集団を一つにまとめあげた栗山監督の采配がひときわ目を引いた。
2006年の第1回大会の王貞治監督から17年の第4回大会の小久保裕紀監督まで、過去5回のWBCで侍ジャパンを率いたのは、現役時代に日本を代表する名選手だった。その点、栗山監督の現役生活はわずか7年間。実績の面で過去の4人とは大きく見劣りする。それでいながら過去の4監督以上の存在感で日本を「世界一」に導いた……
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ビッグボス新庄剛志に野村克也はどうボヤくだろうか
プロ野球12球団が今月1日からキャンプインし、新シーズンへ向けたチーム作りが始まった。その中で最もホットな話題を提供し続けるのが北海道日本ハムファイターズのビッグボスこと新庄剛志新監督だ。キャンプ地への登場の仕方から練習方法、練習試合での采配まで、さまざまである。この新たな風を、あの名伯楽はどう見ているのだろうか。
戦後初の三冠王となり、南海、ヤクルトなど4球団の監督を務め、2020年2月に亡くなった野村克也。野球解説・評論家としても1980年代に「野村スコープ」を開発し、テレビの野球解説に新境地を切り開いたのをはじめ、多くの著書も残した。選手、監督を通じて、弱小チームをいかにして強くするかに心血を注ぎ、リーダーのあるべき姿、人材の発掘方法など多くの名言を残してきた。
その野村が今も健在であったなら、昨今のプロ野球の「監督選び」をどう見ていただろう。きっと、大いにボヤき、悲嘆の声を上げたのではなかろうか。野村の著書を紐解きながら、野村流「監督論」を振り返りつつ、「新庄現象」の今日的意義を考えてみたい……
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最下位低迷の中日に「オレ流」落合博満は必要なのか
2022年のプロ野球ペナントレースが大詰めを迎えた。セ・リーグは東京ヤクルトスワローズが25日、29年ぶりの連覇を達成した。順位表に目をやると、最下位は中日ドラゴンズ。ヤクルトには27日現在、15ゲームの大差をつけられている。
振り返れば中日は、落合博満監督が率いていた2011年を最後にリーグ優勝から遠ざかり、近年はBクラスが定位置となっている。落合監督時代の8年間は、リーグ優勝4回で、2位が3回、3位1回。一度もBクラスに転落することはなかった。
まばゆいばかりの好成績を残した「落合竜」だったが、なぜか選手やフロント、さらに親会社からも「嫌われ」ることになってしまった。1年前、落合の中日監督時代について掘り起こした元日刊スポーツ記者、鈴木忠平の『嫌われた監督』(文芸春秋)がベストセラーになった。同書で鈴木は関係者の証言を積み重ね、監督・落合の実像に迫って好感が持てた……
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