2025年12月5日(金)

日本の医療は誰のものか

2025年9月13日

(scyther5/gettyimages)

1. 医療の流れと全体像

 医療は病気やケガのタイミングや、その程度によって、受け入れる医療施設が異なる。福島県立医科大学名誉教授の葛西龍樹氏によれば、私たちが抱える健康問題は一次医療が8~9割、二次医療がその残りの8~9割、その残りが3次医療だというが、「大きな病院=良質な医療」というイメージから日本では〝大病院志向〟が強い。

(出所)葛西龍樹『医療大転換―日本のプライマリ・ケア革命』(ちくま新書)に掲載の図を基にウェッジ作成

2. 医療施設の種類

 病床、つまり入院用のベッドがいくつあるかによって、病院と診療所(通称として「クリニック」や「医院」とも呼ばれる)に分けられる。また、病院と診療所は担う役割や機能によっても下図の通り分類できる。
 病院は運営主体によっても国公立病院や公的病院(日赤、済生会、厚生連など)、民間病院(医療法人)、学校法人・企業立病院など名称が異なるが、その7割が民間団体による運営である。


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