今週、アジアその他の首脳は中国を訪問したが、これらの首脳の中には、民主主義的な米国による覇権が共産主義中国による覇権にとって代わられることを内心恐れているものが多い。
トランプの下で始まった米国の国際場裏での指導力の崩壊はまだ底を打ってはいない。他の国や国家群、特に欧州連合(EU)は、国際社会でより大きな役割を果たすべきだ。世界は新しい国際秩序が必要であるが、それは習近平によって設計されるものではない。
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習近平の二つの発言での問題点
SCO首脳会議と「抗日戦争勝利80周年記念式典」は、中国にとって盛大な外交の場となった。この二つの外交機会について、上記社説は、第二期トランプ政権の動きを念頭に、中国の国際秩序再構築への野心を取り上げた。
「抗日戦争勝利80周年記念式典」の演説で習近平は、世界情勢について次の通り述べた。「今日、人類は再び平和か戦争か、対話か対決か、ウィンウィンかゼロサムかの選択に直面している。中国国民は正しい歴史と人類文明の進歩の側に立ち、平和的発展の道を堅持し、各国国民と共に人類運命共同体を構築する」
一方、習近平が演説の中で、国際秩序について多く語ったのはSCO首脳会議である。「公平と正義を堅持し、正しい第二次世界大戦史観を発揚し、冷戦思考や陣営の対立、覇権主義に反対しなければならない。国連を核とする国際体系を維持し、世界貿易機構(WTO)を核とする多国間国際貿易体制を支持しなければならない。平等で秩序ある世界多極化、普遍的恩恵を与え、包摂的な経済グローバル化を提唱し、より公正で合理的なグローバル・ガバナンス体系の構築を推進しなければならない」
上記の二つの発言を見れば、この社説も示唆するように問題点は幾つもある。人類は「平和か戦争か」の選択に直面すると言っているが、第二次世界大戦後、欧州における最大の戦争を仕掛けているのは、習近平の横に並んだプーチンに他ならず、それを助けているのは中国、北朝鮮である。
