2026年2月13日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年9月24日

 中国やロシアによる世界秩序の多極化の推進は最近始まったものではない。SCOが発足したのは2001年である。中国、ロシア、インド、ブラジルが4カ国で首脳会議を開催したのが09年で、南アフリカが加わってBRICS になったのが10 年である。多極化を求めるとは、すなわち、従来支配的であった西側主導の国際秩序への対抗軸を立てるということであるが、その試みは長年行われてきた。

手を貸してしまっているトランプ

 ところが、現在、事態が深刻なのは、こうした中国やロシアによる挑戦に対して、第二期トランプ政権の対応には問題が多いことである。巷間、関税政策によって、インドの事例に見られるように、グローバル・サウスの国々を中露陣営に押しやっている。

 第二期トランプ政権で顕著になってきたのは、国内アピールの経済的利得を重視しすぎることや大国の指導者との個人的関係で国際関係をさばいていこうとする姿勢である。ここで取り上げた二つの外交機会に対するトランプ大統領の反応の一つがSNSで習近平に対して「米国に対して共謀しているプーチンと金正恩によろしく」と皮肉を述べる程度であったことは象徴的である。

 トランプにとって、国際秩序を巡る中露との対抗のために自分の陣営を固めるといった発想はないのだろうか。それでも、「アメリカ・ファースト」を目指すトランプにとって、国際関係における中国の影響力がますます大きくなっていくのは避けたいことであろう。

 現状を見れば、中国は自らの陣営を着々と強化しつつあり、米国の行動はそれに手を貸すものとなっている。トランプとしては、中国中心の国際秩序を避けるためには、今の発想を転換する必要があろう。

民主主義は人々を幸せにするのか?▶アマゾン楽天ブックスhonto
Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る