「センス・オブ・ワンダー」を磨く旅へ
そもそも、都市と自然は対立概念ではない。「レイヤー」だ。地形の上に自然というレイヤーが乗り、その上に暮らした人間が、都市というレイヤーを乗せた。都市の下に元々あった自然と、人間がこしらえた自然。そこに居を定めた生き物たちが、案外しぶとく、快適そうに暮らしている。
30分の旅は、そんな生き物たちを再発見する旅だ。お金も道具もいらない。心のレンズを交換すれば、毎日の「通勤」は、突然「旅」になる。日常の風景は、はじめて出会う異国の景色に変わる。誰かにとっての旅の地は、誰かにとっての日常の地だ。旅か日常かは、場所が決めるのではない。その人の心のレンズ次第で決まるのだ。
ピントが合うと、日常が驚きに溢れていることに気づく。この驚きを「センス・オブ・ワンダー」と呼ぶ。『沈黙の春』を書いたレイチェル・カーソンが幼い甥と別荘地を歩き、小さな自然に驚く様を描いた書がある。そのタイトルこそが『センス・オブ・ワンダー』だ。この時のカーソンと甥の目は、旅人だ。見逃してしまいそうな小さな自然を見逃さずに驚き、喜び、感極まる。
30分の旅で、身近な自然を再発見する。そして、あなたのセンス・オブ・ワンダーを磨く。そんな旅に、これから皆さんをお連れしよう。
