「民主主義と独裁の違いは、その結果に至るプロセスにある」、「投資家は、米国が法を守り、合意を尊重し、債務を履行するから米国を信頼する」と言うのは、その通りだ。米国の経済政策への信頼が、今ほど損なわれている時はない。
トランプは9月19日、専門技術を持つ外国人向けのH-1Bビザ制度を大幅に見直す大統領令に署名し、雇用主に10万ドル(約1480万円)の手数料を課すと発表した。また、報道によれば、米政府は6月に日鉄が買収したUSスチールの買収以前に決めていた工場停止計画を「黄金株」に基づき阻止した。
トランプ一族の利益を優先か
9月15日付ニューヨーク・タイムズ は、「二つの巨大取引の解剖:アラブ首長国連邦(UAE)はAIチップスを獲得し、トランプ・チームは仮想通貨の利益を獲得」と題する記事を掲載している。それによると、5月にUAEのシーク・タフヌーンの投資会社が20億ドルをウィトコフ中東特使とトランプ一族が設立した仮想通貨企業ワールド・リバティー・フィナンシャルに払い込み、その2週間後に、米政府はUAEが総額何十万ドル相当の世界最新のチップスを購入することを許可したという。
なお、トランプは9月15日、ニューヨーク・タイムズに対し、大統領選挙の時のトランプ批判記事やハリス支持の社説等で名誉を棄損されたとして、150億ドルの損害賠償を求める訴えをフロリダ州の裁判所に起こした。裁判所は19日、トランプの訴状は「不適切かつ許容できない」、「専門的かつ威厳ある方法で」提出すべきだ、「訴状は、誹謗中傷や罵詈雑言のためのパブリック・フォーラムではない」「相手に対して怒りをぶつけるための保護された場でもない」等と痛烈に批判して、これを却下した。
