大学側は相次いで「拒否」
書簡を受け取った大学側の反応は、「断固拒否」から「慎重に検討」までバラつきがあるが、10月20日現在、正式に「受諾」回答した大学はまだ1校も出ていない。
共和党保守派の支持基盤である南部のテキサス大学では、書簡送付の翌日の10月3日、ケブン・エルティフ理事長が地元「テキサス・トリビューン」紙とのインタビューで好意的反応を示し、以下のように語った:
「近年、高等教育自体が曲がり角に来ており、思い切った改革の時期が来ていることを痛感していた。そしてわが校としてもこれまで、アボット州知事や教育委員会との間で、大学教育の内容を州民全体の利益に合致させるべく教育改革の検討に意欲的に取り組んできた。その意味で、今回のホワイトハウス書簡はきわめてタイムリーであり、提示された『コンパクト』に対する正式な回答について、ただちに大学当局とも協議、検討していきたい」
しかし、同大学教授会はこれに先んじ「内容的にわが校の教育精神と合致しない」として、「コンパクト」拒否の態度を表明した。
バンダービルト大学、アリゾナ大学も同様に、大学当局が対応について「内容を精査中であり、じっくり検討する」としているが、教授会はすでに拒否声明を発表している。
一方、他の複数の大学は当初から毅然たる態度で「コンパクト」をはねつけている。
まず、ダートマス・カレッジは去る3日、シアン・ベイロック学長名で「これまでの高等教育が必ずしも完璧とは言えないが、我々としては学の自由と自治能力に関する限り妥協する余地はまったくない」として拒否した。
続いてMITも10日付で「『コンパクト』は表現の自由を制限し、当大学の価値観と相反するものである」とするサリー・コーンプラッシュ学長名の拒否見解を明らかにした。
ブラウン大学は15日、クリスチナ・パックスソン学長が「伝統あるIVリーグ校として、内容の一部に同意できるものの、全体として学の自由と本大学の課せられた使命を侵犯するものであり、容認できない」と回答した。
ペンシルベニア大学も16日、ラリー・ジェームスン学長が拒否決定をしたと語るとともに「当校の回答は、我々広いコミュニティの考えと諸価値観を反映しており、揺らぐことはない」と説明している。
南カリフォルニア大学も同日、ビヨン・スー・キム暫定学長名で「学の自由と学術的優位性は不可分の関係にあり、これまでわが国の大学が優位性を保ってきたのは、その伝統を堅持してきたからだ」として、学の自由を侵犯する「コンパクト」を拒否した。
翌17日には、「検討中」としていたバージニア大学が最終的に、「わが国高等教育への信頼性を侵害する政府とのいかなる取り決めにも同意できない」として拒否した。
この結果、最初にホワイトハウス書簡を受け取った9校のうち、「いぜん検討中」のテキサス大学、バンダービルト大学、アリゾナ大学以外の6校がすでに拒否回答をしたことになる。その後、書簡が送付された他の3校は20日現在、態度を明らかにしていない。
