2025年11月18日(火)

日本人なら知っておきたい近現代史の焦点

2025年11月4日

 トランプ大統領が10月27日に来日した。アジア歴訪の一環として、マレーシアでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席した後、直接東京に向かい夕方到着した。

 日本の複数の地上波テレビは、カメラを羽田空港に切り替え、大統領専用機エアフォースワンが着陸する様子や、それを一目見ようと空港デッキに集まった人々を映し出した。そして、トランプがタラップを降り、出迎えの人々と挨拶する様子や、専用ヘリであるマリーンワンで都心のヘリポートへと向かう様子を、取材ヘリを飛ばして追い続けた。

 その後も、天皇に拝謁するため皇居へ向かう特殊車両ビーストに乗る大統領を空と陸から中継した。その間に予定されていた番組のコーナーは差し替えての中継であり、日本側の関心の高さをうかがわせた。

日本は大々的に報じられた日米首脳。アメリカの反応は(首相官邸HPより)

 翌日のトランプ大統領の予定は午前の高市早苗首相との迎賓館での日米首脳会談から始まった。多くの日本人は、大統領が突然無体なことを言いだすのではないかとか、首相が言わなくてもいいことを言ってしまうのではないかとハラハラドキドキしながらことの推移を見守った。

 結果的に、二人の首脳は関税に関する合意文書と、レアアース分野での協力に関する合意文書に調印したが、どちらも日本側の予想の範囲内であり、多くの関係者は胸をなでおろした。それには、もちろん習近平国家主席との米中首脳会談を控えたトランプの、日米の緊密な関係を誇示したいという思惑があったことはあろうが、日本側のこれまでの努力も見逃せない。

 例えば、赤澤亮正大臣のこれまでの交渉しかり、防衛費増額の決定を日本側から自主的に言い出し、タイとカンボジアの和平仲介を讃え、トランプ大統領をノーベル平和賞に推薦するなどした日本の努力が寄与したと思われる。


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