日本にとっての重要性
このようにトランプの訪日に関して、日本側が国を挙げて注目したのに比べて、米側の関心は高くなかった。米国民にとってなんといっても一番の関心事は突発的自然災害を除けば、10月1日から始まった政府閉鎖である。
連邦政府職員の給与が支払われないため、多くの人々が困っている。自由の女神やヨセミテなどの国立公園、スミソニアンの博物館や美術館は閉鎖され、多くの補助金は滞っている。このような重大事に、二大政党の対立を収める必要があるにも関わらず、ディールをまとめるのに誰よりも長けているはずの大統領が不在であり、アジア歴訪の成果ということよりも、その不在に焦点が当たっている。
一方、米国に安全保障を依存し、多くの製品を米国に輸出することで豊かな生活をおくっている日本にとって、米国大統領訪日の重みは計り知れず、いかに滑稽に映ろうとも揶揄されようとも必死でもてなさねばならない。高市首相は「日米同盟の新たな黄金時代をトランプ大統領とともに作り上げていきたい」と述べたが、これが外側だけの金箔とならないことを祈るばかりである。
