〝ネタ〟として大きく取り上げるナイトショー
トランプに対して批判的な傾向が強いため、これまでトランプから目の敵にされているナイトショーは、もっと辛辣であった。トランプを笑いのネタにしようとする傾向があるので、米国の他の番組やニュースに比べて日米首脳会談に注目する結果となった。
例えば、暗殺されたチャーリー・カークについての発言においてトランプ支持者を皮肉ったとして一時放送休止に追い込まれた番組「ジミー・キンメル・ライブ」において、ホストのキンメルは、「トランプが日本でヌードルを音を立てて啜っている間に、政府閉鎖のせいで航空管制官は給料のもらえない最初の給料日を迎えようとしている」と述べて、政府閉鎖中に長期で国を空けていることを批判した。ジョンソン下院議長が、出来ることは何もないと大統領をかばったのに対しては、「8つの戦争を終わらせた男ならなんだってできるはずだ」と述べた。
この番組の中では日米首脳が合意文書を掲げるシーンも放送されたが、高市首相が掲げる方の文書は、文面は「私は馬鹿と一緒にいる」と作り替えられているなど手の込んだつくりになっていた。
トランプ政権を批判し笑いのネタにしてきたことで、今シーズンで終了することを発表しているCBSの「ザ・レイト・ショー」のスティーヴン・コルベアも、トランプの訪日を大きく取り上げた。番組冒頭で「すばらしい日本人のみなさんに感謝することから始めたい」と述べ、「大統領を2、3日世話してくれた」おかげで、「我々は少し休める」からと理由を説明した。
次に迎賓館で栄誉礼を受けるシーンが映し出された。高市首相のリードに気づかず、日の丸を無視してトランプ大統領がすたすたと歩いて行ってしまうシーンを繰り返し映し、まるで「おじいちゃんをショッピングセンターに連れて行った」時みたいだ。「ああ、ビクトリアズ・シークレット(女性の下着に強いファッションブランド)に入っていく。Tバックに敬礼しちゃだめだ」と揶揄した。
大統領への贈り物に関しては、「アメリカ合衆国大統領をお世辞で丸め込むのがいかに簡単かを見るのは、本当に悲しい」と言った上で、プレゼントの可能性として、「金のハンバーガー、金のテレビ。金色にスプレーした女性は試したっけ」などと述べた。もちろん日本からの実際の贈り物に、金箔をはったゴルフボールが含まれているのを知ったうえでのコメントである。
横須賀での米軍に対する訓示についても触れて、コルベアは、米軍の次のターゲットはどこか知っているかとスタジオにいる観客に問うた。そして「それは皆さんです」と自ら答えた。
トランプは、横須賀の米軍に対して自国の都市に軍を展開する可能性について述べていたのである。ただ、コルベアは米国に侵攻するかもしれない米軍人に注意するよう促す。その国は「狂人」に支配されているからと。
