2025年12月11日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年12月10日

 他方、ラマポーザは良くやったと思う。首脳宣言も初日に採択した。宣言は、WTO の改革やウクライナについても正しく書かれている。

世界の枠組みに置いていかれる米国

 米国のわがままが続けば、残念ながら、置いていかれるだけだろうと心配する。米国抜きの包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)への加盟もアラブ首長国連邦(UAE)、エクアドル、ウルグアイの交渉手続に入ると発表された。これについては、次期政権発足の際は、改めて米国を説得することが必要だ。日米豪印4カ国の連携の枠組みQUAD(クアッド)の本年の首脳会合も、トランプの間違いでインドでの開催が不確定のままとなっている。

 なお、上記に関連して若干捕捉をすれば、次の通りである。

(1)トランプとサウジアラビアの皇太子ムハンマドの会談は11月18日にホワイトハウスで行われた。サウジアラビアが米国に6000億ドルを投資することで合意した。ムハンマドはトランプに支援され、カショギ殺害がなかったように正常化しつつある。トランプはF35ステルス戦闘機をサウジアラビアに売却すると表明した。

(2)ウクライナ28項目和平提案については、欧州とウクライナの協議を踏まえ、11月23日ジュネーブで米・ウクライナ高官協議が行われた。他方、ここ数日、米国のウィトコフ特使などいわゆる「取引」専門家が交渉を主導し、米政府の外交専門家の関与が見えないことが批判されている。11月27日には、ウィトコフがロシア高官に米国との交渉につき助言していると暴露し、批判されている。

(3)11月26 日、トランプは、来年のG20 米サミットに南アフリカを参加させないと投稿した。

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