2026年1月15日(木)

World Energy Watch

2026年1月15日

 また、ロシア企業の存在も際立っている。ロスザルベジネフチはロシア国営のザルベジネフチが20年に設立した子会社である。同社は、米国がロシアの石油大手ロスネフチのベネズエラの2事業に制裁を科したことを受け、資産を引き継ぐ形で設立された。その目的は、米国の制裁を回避しつつ、ロシアのベネズエラ石油資産の運用を継続することにあった。

 ベネズエラ国会は25年11月、PDVSAとロスザルベジネフチとの合弁事業について、15年間の延長を正式に承認した。これにより、ロシアはボケロン(Boqueron)油田およびペリハ(Perija)油田の運営に41年まで関与を継続することが可能となった。延長後の総生産目標は約9100万バレル、日量平均で約1万6600バレルと見積もられていた。

トランプの狙い

 ベネズエラの石油部門は、インフラの老朽化や長期的な投資不足により、産油量の回復には数年を要するとの見方が広がっている。これに対し、トランプ政権は、米国の政策次第で石油部門の再活性化は迅速に可能だと主張している。

 同政権は、ベネズエラでの原油生産を最大化する手段として、過去に課した制裁――米国企業による油田設備や技術の供与を禁じた措置――の解除を挙げている。また、トランプ大統領は、米国企業が補助金を受ければ、1年半以内にベネズエラでの操業拡大が可能だと訴えている。

 現在、米国石油企業の中でシェブロンのみが、ベネズエラの油田で操業を継続している。一方、エクソンモービルやコノコフィリップスは、かつて同国の主要な生産者であったが、およそ20年前に事業が国有化されて以降は撤退している。

 トランプ政権がベネズエラでの石油増産を急ぐ背景には、同国の原油を国際市場に再流通させることで、原油価格の引き下げを図る狙いがある。ロイター通信によると、トランプ大統領は1月6日、面会した共和党の下院議員らに対し、ベネズエラ産原油の供給拡大が米国民のエネルギーコストの軽減につながると強調したという。

 トランプ大統領は25年1月の再就任以降、インフレ対策の一環としてエネルギー価格の引き下げを重視してきた。地球温暖化対策の国際枠組みである「パリ協定」からの離脱を指示する大統領令に署名し、バイデン前政権が推進していた気候変動政策を見直した。これに伴い、米国内での石油・天然ガス産業に対する規制緩和を進め、増産体制の強化を図っている。

 さらに、25年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議)では、石油輸出国機構(OPEC)諸国に対し原油の増産を要請し、国際市場における価格引き下げを働きかけた。トランプ政権の動きに反応する形で、自主減産を実施するOPECプラスの8カ国は同年3月のオンライン会合で、減産規模を段階的に解除(つまり増産)することに合意した。


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