2026年1月15日(木)

World Energy Watch

2026年1月15日

 原油価格の下落は、米国内のガソリン価格を引き下げる効果を持ち、結果としてインフレの抑制にもつながる。この展開は、26年の中間選挙を見据えるトランプ政権にとって、政権基盤の強化や支持拡大に資する重要な要素といえる。そのシナリオを実現するためにも、同政権にとってはベネズエラの石油部門を掌握し、産油量の早期回復を実現することが鍵となる。

中国経済への影響は?

 一方、米国によるベネズエラ石油部門への管理強化により、中国がベネズエラ産原油を輸入することは一層困難になる可能性もある。世界最大の原油輸入国である中国は、制裁下にあるロシア、イラン、ベネズエラからの割安な原油を主要な調達先としてきた。だが、米国が輸出管理を厳格化したことで、ベネズエラから中国への原油供給は今後さらに抑制される見通しだ。

 この影響は特に、中国の独立系製油所にとって深刻である。これらの製油所は、安価なベネズエラ産原油に依存してきた。しかし、出荷停止に伴い、26年3月と4月にはロシア産やイラン産原油への切り替えを進める可能性が高いと報じられている。 

 一方、中国のベネズエラからの原油輸入量は、直近25年1月~11月データで224万バレルにとどまっている。ベネズエラにとって中国は最大の原油輸出先であるものの、中国側にとってベネズエラは第34位の原油供給国に過ぎず、主要な供給元トップ10にも含まれていない(図2)。このことから、中国はベネズエラ産原油の輸入が停止した場合でも、他の供給先からの代替調達が可能であり、輸入停止の影響は限定的であると考えられる。


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