今回のトランプの暴挙が中南米の人々の反米意識をより高めるだろうか。
「ベネズエラに対する姿勢を見てわかる通り、米国は中南米の国々を助けるつもりなどない。それはわかりきったことで、メキシコの反米感情は昔も今もさほど変わっておらず、この先も同じだろう。私は20年アメリカの会社で働いたが、アメリカに対する考えは変わらなかった」(メキシコのソフトウェア・エンジニア、アドリアン、43歳)
「トランプ個人の問題というより、彼は米国の旧来のドクトリン、帝国主義をあからさまに実行しただけだ。彼の背後には新たな覇権を望む兵器産業がいる」
そう語るコロンビアの会計士、アルデマル(67歳)は、米国嫌悪がさらに深まり、中国の株が上がるとみる。「米国は、インフラや技術移転で中南米に関わってきた中国や日本とは明らかに違う。私たちはそれを改めて見せつけられているのだ」
「異常さに慣れることはできない」
その先に何があるのか。米国の横暴に慣れっ子の彼らにも読めない。
「米政権の人間がベネズエラに数年にわたって留まり、領土の一部を占領することも否定できない。コロンビアが同じ目に遭うことも十分考えられる。そのとき国内でどんな抵抗が起きるのか、予想もつかない」と右派のカルロスでさえ不安に思っている。
技師のディアスは「今は、明らかに異常なことが起きている」と話す。
「恐ろしいのは、トランプが自分なりの解釈で『モンロー主義』をうたい、メキシコやコロンビア、グリーンランドまで侵略しようとしていることだ。これまでの政権とは全く違う。彼のソシオパス(人に共感できない反社会的な気質)的な頭の中で、何か異常なことが起きているのだと思う。我々はその異常さに慣れることなどできないだろう」
