1月3日に起きた米軍によるベネズエラ攻撃を周辺国の人たちはどうみているのか。トランプ大統領が次の標的に名指しするコロンビア、メキシコなどに暮らす男女20人にリモート電話やメールで話を聞いた。
米国に蹂躙された歴史から、反米一色に染まるかと思ったが、そう単純ではなかった。ここでは米当局から特定されないため、姓名のどちらかで表記する(敬称略、カッコ内は筆者注)。
多くの批判の声の中に歓迎も
当然ながら、真っ先に米国の独善ぶりを口にする人は多い。
「マドゥロ大統領夫妻の拘束はどう見ても拉致だ。米軍はベネズエラの国家主権を侵害した。米国人はこれまで『自由の擁護』を旗印に、テロ、麻薬密売、大量破壊兵器所持といった口実を捏造し、他の国々を侵略し、インフラを破壊してきた。悪化する自国経済を調整するための彼らのやり口だ」(コロンビアの技師、ディアス、64歳)
「国際法の精神をトランプは台無しにし、文明の歩みを80年も後退させた。対話ではなく力で支配する野蛮な暗黒時代の扉を開いてしまった。それが本当に悲しい」(同国の電力公社元幹部、ハイメ、68歳)
20人中4人は歓迎の声を上げた。
「ベネズエラの惨状を生んだ独裁政権が崩れ始めることに満足している。コロンビア政府は今回、国民に反米デモを呼びかけたが、動員に失敗した。首都ボゴタのボリーバル広場に集まったのは少数で、左派のペトロ大統領が威嚇的な演説をしたが、多くの国民は聞き流した」(同国の経済官僚、カルロス、65歳)
国外に暮らすベネズエラ人が手放しで喜んでいるわけではない。コロンビアに移住し5年になるレストランのシェフ、アレハンドラ(45歳)は「あまり喜べない」と言う。「私自身は嬉しいが、国内に家族がいる。マドゥロが消えても体制は変わらない。本当の変化は、今の政権が完全に排除された時だと思う」
