同じことは統一についても当てはまる。14年、朴槿恵元大統領との首脳会談で、習近平は「南北が主体となる自主的で平和的な統一の実現を希望する」と述べた。これは、韓国が統一への意志を示し、中国の役割を要請した結果であった。しかし、李在明政権は統一について何も語っていない。
外交とは原則の問題である。こちらの安全を脅かす相手を不快にさせるからといって、言うべきことを避けていては何も成し遂げることはできない。たとえ何かを得たとしても、それは見せかけにすぎない。
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「割り込んだ」李在明の訪中
保守大手の朝鮮日報社説が、先の中韓首脳会談で北朝鮮の非核化や南北統一問題が議論されなかったことを批判する。それには一理ある。
今回の中韓首脳会談は、急遽12月下旬に決まったという。中韓首脳会談は、2カ月前の10月の慶州アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の機会に行われたばかりだった。
韓国としては重要な国である中国との首脳会談は何時でも歓迎であろうが、今回1月4~7日の李在明の国賓としての訪中を設定したのは中国だったとみられる。
習近平は、11月の台湾有事に係る高市早苗首相の国会答弁につき対日批判と中国観光客の訪日規制等を執拗に強め、韓国を出来るだけ中国側に取り込み日本を孤立させるため、1月の李在明の訪日前に李在明の訪中を「割り込んだ」のであろう。1月6日には中国商務省がレアアース関連汎用産品の対日規制を発表した。
訪中を控えた1月2日、魏聖洛は停滞してきた中韓関係の「全面的な修復」を目指すと述べていた。しかし、習近平は、①17年以来続いている「限韓令(韓流禁止令)解除」については答えず、②「南北関係を仲裁して欲しい」という要請にも答えなかったという。③黄海上の違法構造物(中国によれば養殖場施設)や黄海での違法操業についても進展はなかった。李在明が最も期待していた朝鮮半島の平和や北朝鮮の非核化に関して、習近平は「言葉を慎み限韓令の廃止や黄海上の構造物の撤去についても親展がなかった」という。
