2026年2月13日(金)

日本の漁業 こうすれば復活できる

2026年2月13日

シシャモの資源調査

 下の図は、アイスランド近海でどの海域の資源調査をしたかという結果です。シシャモの回遊経路は北から南に島の周りを回遊して主に南東海域で産卵して一生を終えます。26年1月19~25日の調査結果ですが、漁期中は同様に適宜シシャモの南下に合わせて資源調査が行われます。

MRFI シシャモの資源調査

 アイスランドのシシャモの場合は、漁期中に回遊してくる群れの量が多いと判断されると増枠することがあります。現時点(2月中旬)での19.7万トンという漁獲枠は、もともとは昨年10月に発表された4.4万トンという暫定枠の4.5倍の水準となっています。

 3月15日というシシャモの産卵期が終わった時点において、95%の確率でシシャモの親魚を11.4万トン残すというルールがあります。つまり11.4万トンという親魚量が確保できれば、来遊量が増えれば、それ以上の分は漁獲枠として配分されることになります。

 なおこれは、資源をサステナブルにするために科学的根拠に基づいた増枠です。日本のスルメイカの増枠のケースのように、単に獲り続けるために、政治家を使って水産庁に圧力をかけて増枠するのとはわけが違うのです。

日本とは異なる「禁漁」の解除な政府の対応

 実際には大量に漁獲できるにも関わらず漁獲できない。「禁漁」という厳しすぎる資源管理は、時に「買付できない」ビジネスに影響を与え、消費者への供給が困難になってしまいます。

 筆者は最前線で買付事業をしていた08年に次のようなことがありました。当時アイスランド沖合では、ノルウェー漁船にも国別漁獲枠当があってシシャモの操業していました。数日でノルウェー漁船は約4万トンの漁獲枠を終了。その前後にアイスランドが実施した資源調査では「禁漁」というアドバイスが出てしまいました。

 これから主力のアイスランド産を買付するのに「禁漁」。しかも同じ海域に先に漁をしたノルウェー漁船の漁獲状況は悪くないのに……。これではアイスランドの漁業者・輸出業者・そして日本の関係者も困ってしまいます。

 そこで、日本以外の買付国にも「再調査」を依頼しようと筆者が声がけしました。金曜日に要望しましたが、翌月曜日には漁業大臣が現場を訪れて再調査となりました。

 調査をしてみると、予想通りすぐ大量にシシャモが獲れ、おまけに網に入ったシシャモを食べようとクジラが2頭も入ってしまうというおまけ付きでした。結果として資源量が漁獲枠を出すのに十分ということになり、約20万トンもの漁獲枠が発給されて漁獲も買付も続けることができました。


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