2026年2月25日(水)

World Energy Watch

2026年2月25日

 防衛相は通信装置が組み込まれている再エネ設備に自衛隊のすべての電力供給を依存する危険性を認識していなかった。そのため、再エネ推しはさらに続く。

 20年12月に、規制改革担当相に就任していた河野太郎氏は、当時の小泉進次郎環境相と共同で、国の施設で調達する電力の3割以上を21年度から再エネに切り替えるよう各省庁に要請すると表明した。菅義偉元首相は、50年温室効果ガスの実質排出量ゼロを目指すと20年10月に表明していた。

 日経新聞が報道した両氏のコメントは次だ。小泉氏は「政府として再エネの主力電源化を世の中に求めており、まず政府自身が変わらなければいけない。菅政権はスピードが命だ」と述べた。河野氏は「規制改革の立場からも行政改革の視点からも後押ししたい」と語った。

 エネルギー政策で重要なことは、安定供給、価格、環境だが、両氏とも環境以外にはあまり関心はなかったようだ。多くの国民は、政府が環境だけに主眼を置き安全保障問題を一顧だにせず、電力を調達するのが正しい政策とは思わないだろう。

地政学のリスクを認識せよ

 ロシアのウクライナ侵攻以降、強権国家にエネルギー、原材料を依存するリスクを回避するため、主要国は自給率向上と脱ロシアを課題にした。原子力と再エネ導入が求められたが、再エネ設備の原材料を中国に依存するリスクが浮上した。

 例えば、中国は25年の世界の太陽光パネル製造の80%から85%のシェアを持ち、原料であるポリシリコン製造の8割以上のシェアを持つ。

 日米欧は連携し、再エネ設備の原料となる重要鉱物の共同での開発、加工を進めている。道はまだ遠いが、常に地政学のリスクを意識し行動することが求められる。

 防衛に関する原料、製品の大半を中国に依存する、あるいはエネルギー、電力供給を中国依存のリスクにさらすことは、あってはならない。

 批判も多いトランプ政権だが、見習うべきところもありそうだ。河野、小泉両氏の指示が実行されていないことを祈るが、閣僚、政治家は幅広い見識を養った上でエネルギー政策に関する方針を示すべきだ。

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