脳を「長持ち」させるには食事、睡眠、そしてアウトプット
辛酸: 脳のゴミを掃除する方法って、他にもありますか?瞑想がいいとか、よく聞きます。
大武: 諸説ありますが、大雑把に言うと「まず溜めない」こと。そのための体づくりとして、抗酸化作用のある食材を意識する話はよく出ます。この対談の前にも打ち合わせをしながら、ランチでそうしたものを食べましたよね。
辛酸: 食べました(笑)。
大武: 例えばほうれん草。ほうれん草カレーには抗酸化作用があると言われています。色の濃い野菜や、黄色・橙色の食材もよいですね。
辛酸: さっきも全粒粉のメニューを頼んでいる方が多かったですね。
大武: 全粒粉も選択肢の一つです。ただ、何か一つだけで解決というより、全体の傾向として、酸化、糖化が進まないよう気を付けて、「体に炎症を起こしにくい」ほうへ寄せるイメージです。
逆に避けたいのは、炎症を引き起こしやすいと言われる食べ物です。一部の加工食品は、体に良くないと言われています。脳の炎症が関わる病気もあるので、できる範囲で避けたほうがいい、という話になります。
辛酸: 食事だけでなく、ストレスを減らすとか。
大武: もちろんです。ストレスや睡眠も非常に大きい。寝ている間に脳内の老廃物が洗い流されるという話もありますし、睡眠が崩れると回復の土台が揺らぎます。体を整えたうえで、脳の使い方としては「最近の話をする」「覚える」など、日常でアウトプットすることが効いてくるのです。
辛酸: 最近の話って、意外と出てこない時がありますよね。
大武: だからこそ、日常の中で「話す」や「書く」を入れておくことが大切です。そこで、話し相手がいない時にチャットボットに話しかける、というのもアウトプットにはなります。
辛酸: ただ、最近チャッピーに依存しがちな人が多い気がします。
大武: そうですね。最近は依存気味になっている人もいると感じます。依存は何事もよくない。人に頼るのもAIに頼るのも、上手に頼るのは大事なのですが、最初から“考える”部分を全部投げてしまうと、その機能が使われなくなってしまう恐れがあります。
辛酸: AIが勝手に考えてくれると、脳が退化しちゃうんじゃないかと思います。
大武: だから私は、「いま自分の脳のどこを使っているか」を意識してみることを勧めています。たとえば「今サボったな」と気づくこと。便利さに流されると、サボることが当たり前になる可能性があるからです。
漢字変換もその一例ですよね。便利だけど、さらに先へ行って「下手に考えるより任せたほうが早い」からと全部やってしまうと、そこができなくなる、というのはあり得る。
辛酸: 頼ること自体が悪いのではなく、頼り方の問題なのですね。
大武: その通りです。最初から全部任せるのではなく、まず自分で考えてみる。行き詰まったら助けを借りる。このバランスを取ることで、脳の機能も使えるし、結果的に先へ進められます。
