まずシンプルに理解できるか事業かどうか、について本書はこう記す。
企業あるいは株式を所有していても、その企業が属している産業を十分理解していなければ、事業展開の是非を判定できず、正しい意思決定を行えない、という著者の指摘はもっともである。逆にいえば、自分がお金を出す先のことをよく理解しないまま安易に投資しているような人々がいることを示している。
バフェットのアドバイスについても引用する。
難問には手を出さない
バフェット氏が次に重視するのは、安定した事業実績があるかどうかである。バフェット氏の特徴として、市場で脚光を浴びているような株式にはほとんど興味を示さず、興味を示すのは長期的に成功するだろうと自分で確信した企業への投資であるという。これまで着実に実績を積んで来た企業は、今後もそれを続けていけると考えるのは理にかなっている。
さらに、興味深いのは、難局を乗り切ろうとしている企業にもバフェット氏はあまり手を出さないという本書の指摘である。経験上、企業再生はうまくいかないことが多いと考え、好調な企業を適切な価格で買うことのほうが大きな利益を得る可能性が高いと考えているからである。これについて本書はバフェット氏の言葉をこう引用する。
投資先が長期的に明るい見通しを持っているかどうかも注目点である。長期的に他社に対する競争優位を維持していけるかどうかを見極めるポイントして、バフェット氏が「堀」と呼ぶ参入障壁があるかどうかに注目する。大きな堀があれば競争力は強固になり、長く持続するほど好ましいという考え方である。バフェット氏の言葉はこうである。
経営者を見る目を養うこともバフェット氏の投資判断の重要なポイントである。株主に率直に話せる経営者かどうかという部分では、企業の財務状況をもれなく報告でき、成功のみならず失敗についてもオープンに話せる経営者のことを評価している。自らの経営の失敗に関しても、バークシャー・ハザウェイのアニュアルレポートの中で率直に報告している。
