2026年3月14日(土)

モノ語り。

2026年3月14日

1mmを開発する理由

錆止めを焼く前の「1mmの打出しフライパン」

 実は鉄は厚みがある(つまり重くなる)ほうが、蓄熱性が高くなるので、より好ましいのですが、千田さんが「1mmの打出しフライパン」を開発した背景には切実な問題があります。料理人の高齢化です。

 実感されている方もいるかもしれませんが、町の洋食店や町中華が少なくなっています。高齢化した料理人にとって大変なのが、重い鉄フライパンや中華鍋を振ることです。

 手首に大きな負担がかかります。腱鞘炎になることもあります。私自身、近い将来、町中華がなくなっておいしいチャーハンが食べられなくなるのではないかと危惧しています。

 「まさにプロの料理人の方から、『フライパンが重い』という話を聞いたことが開発のきっかけになりました。そこで訪ねたのが、横浜の山田工業所さんです。横浜中華街向けなどに中華鍋をつくっている会社で、鍋を1000回以上も叩いて強度を高めるという『打出し』技術を持っておられます。山田さんの技術があってこそ、『1mmの打出しフライパン』はつくることができたのです」

 一般的にはテフロン加工のフライパンを使っている方が多いと思いますが、鉄フライパンにチャンレジして自分だけのモノに育てていくことも楽しいと思います。

千田 大阪市中央区難波千日前8-16 06-6632-5851
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Wedge 2026年3月号より
酷似する「戦間期」と現代 第三次世界大戦を防げ
酷似する「戦間期」と現代 第三次世界大戦を防げ

「新しい戦前になるんじゃないですかね」─。今から4年前、テレビ朝日の『徹子の部屋』でタモリさんが口にした言葉だ。 どのような意図で発言したのかはわからない。ただ、コロナ禍だった当時、全体主義体制を称揚するような空気が漂い、議会制民主主義の危機も顕在化し、「1930年代」に時代が近づきつつあると感じていた私は、その言葉に妙な〝重み〟を覚えずにはいられなかった。 昨今の様々な出来事を見るにつけ、その感覚は確信へと変わった。時代は、当時の「戦間期」を思わせる局面に入り、大国指導者が世界の行方、人類の運命を左右する時代になったのである。このままでは、最悪の場合、第三次世界大戦が起こる可能性も否定できない。 ただ、もし戦争になったとしても、大国指導者たちが戦場に行くことはない。いつも犠牲になるのは、市井の人々である。 英国を代表する歴史家、A・J・Pテイラーは、『ウォー・ロード 戦争の指導者たち』(新評論)最終章で日本のことを取り上げ、こう指摘している。「日本は戦争の指導者はただの一人もいなかった」 つまり、指導者不在のまま、日中戦争、太平洋戦争へと突き進み、日本は破滅したのである。当時、大衆も熱狂し、政治はそれに流された面もある。 一度始まった戦争を終わらせることは容易ではない。それは4年が経過したロシア・ウクライナ戦争を見れば明らかである。動乱の時代、今こそ歴史に学び、教訓、希望を見出し、この危機から「脱出」する必要がある。


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