トランプはこれまで「台湾の負担する防衛費」が少なすぎること、台湾の対米投資の結果、米国人の仕事が奪われたこと、などの発言を繰り返した。そのため、台湾の中では、いざという時、米国は台湾を助けてくれないのではないか、という「疑米論」まで起きた。
米国との関係の〝今〟
現在、頼清徳・民進党政権は、野党・国民党との間では、立法院(国会)では与党・民進党が少数派という「ねじれ現象」になっている。その結果、台湾の自衛へのコミットメントとインド太平洋地域の安定を守る決意を強調するものとして頼政権が提案した400億ドルの特別国防予算法案は、野党の反対で暗礁に乗り上げるなどの弊害が出ている。ただし、世論調査に見る限り、台湾市民の現政権支持率は比較的安定している。
ごく最近、台湾は米国との間で「対等貿易協定」を締結した。9カ月にわたる貿易交渉の末、台湾は相互関税率を20%から15%に引き下げた。頼清徳は、この決定を台湾の経済と産業にとって変革を遂げるための重要な決定であるとして受け入れた。
米台関係において、見逃せないのは、武器売却問題である。トランプ政権としては昨年12月に過去最大規模の台湾への武器売却にふみきった。最近行われたトランプ・習近平間の電話会談の中で、習近平は「台湾問題は米中関係において最も重要である」として「米国は台湾に対する武器売却問題には慎重でなければならない」と釘を刺したと言われる。
2月27日付けニューヨーク・タイムズ紙の報道によれば、トランプ政権は、4月に予定されているトランプ大統領の北京訪問を前に、中国の習近平国家主席を刺激することを避けるため、台湾への数十億ドル規模の武器売却パッケージの発表を遅らせている由である。
