2026年5月6日(水)

Wedge REPORT

2026年5月6日

 まず、森林内では滅多に起きないこのような事故が、都市空間ではこれほど多数起きていることに驚いた。山林作業の場合は、必ず保安帽(ヘルメット)を着用しているので、軽い落下物ならケガは避けられるが、全治30日以上になると相当な重傷である。

 都市空間と森林を比較すれば、被害者となりうる人数では都市空間が圧倒的に多く、被害を及ぼす樹木の数では森林が無限に多い。仮に倒木や枝の落下する確率を同じとすれば、危険のかたまりのような森林よりも、人の多い都市空間の方が被災率は高いことになる。

写真 4 森林内の倒木

 この違いは何なのか。倒木等の危険の高い森林で働く林業者は、ある程度その危険性を認識して行動しているのに対して、都市で暮らす人々はまずそのような心配はしていない。後者は無防備で、まったくもって都市空間の安全を信じ切っている。

 ところが同じ調査では、樹木に近づいて直接状態を確認する定期点検を行っている自治体は、公園で40%、道路で43%だった。人手不足や予算不足が背景にあるとみられている。自治体向けの点検の指針を作成している同省は、人が行き来する場所にある樹木や古い樹木を優先して点検するよう自治体に促す方針という。

 このように公園・緑地、街路樹などの管理に限界があるのであれば、倒木等から我が身を守るには、都市住民であろうとも樹木を見たら危険予知をするしかない。車を見ればまず危ないと思うのと同様にである。倒木等の発生場所は、公園が931件、道路が801件であるから、樹木のある公園や街路樹のある道路では特に気を付けるメリハリが大切である。

危険な樹木の見分け方

 倒れそうな、枝落ちしそうな危険な樹木を見分けることができれば、被災する確率をかなり下げることはできる。先の調査では、倒木の原因は、腐朽・病害が509件、台風以外の強風435件、台風162件などだった。

 樹木は生物であるから、必ず腐朽し、老化し、枯死に至る。これに風や雨、雪などの気象的要因が加わるとさらに倒れやすくなる。このような気象下、後には格段に倒れる危険が高くなるので注意を要する。

写真 5 樹洞ができたケヤキ

 森林においては、隣接する樹木の樹冠が接しているので支え合って集団で風に抵抗できる。しかし、公園や街路樹などでは樹木同士の間隔が離れているので、樹冠が大きく広がり風が当たる面積が大きく、単木で風に抵抗しなければならない(写真1)。風の強い時は、樹木の多い公園・緑地には近づかないように、街路樹にも特段の注意が必要である。


新着記事

»もっと見る