2026年5月14日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年5月14日

 トランプにとり、正気者がいじめ易いのだろうか。同盟国は自らの強靭性を高め、同盟国の間で新たな連携を築くべきとの社説の結論は、正しい。米国の信頼性は、回復不可能なほどに損なわれている。

加速するNATO離脱への備え

 欧州は、万が一のトランプのNATO離脱に備えて、NATO予備計画の検討(昨年開始)を加速化しているという。これは、「欧州のNATO」と呼ばれる計画で、指揮命令を含め目下あらゆるレベルで米主導になっているNATOの構造をもっと欧州主導にするものである。

 この検討の背景には、米国の信頼性の低下、トランプのNATO脱退やグリーンランド所有の脅かし等がある。他方で、フランスの防衛における欧州主権の拡大構想に抵抗してきたドイツが、メルツの下で賛同に転換していることがそれを可能にしている。なお、米国のNATO脱退は米議会の承認が必要だが、一部部隊やアセットの欧州撤収、欧州支援の停止は大統領の司令官権限で出来る。

 4月11日付フィナンシャル・タイムズ社説は、「トランプは米国の道徳的リーダーシップを放棄している」と題し、トランプ政権がイラン戦争で民間インフラ施設の攻撃禁止や民間人と戦闘員の区別等を規定する戦争法を順守していない、「世界最強の軍事大国の米国がルールを守ろうとしないのであれば、世界は一層危険な場所になる」と厳しく批判している。

民主主義は人々を幸せにするのか?▶アマゾン楽天ブックスhonto
Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る