2026年5月18日(月)

World Energy Watch

2026年5月18日

 25年ではその割合が29.1%だったものが、26年1月以降ではその割合は9割前後まで占有するようになり、これら複数の会社がSDN指定されたロシア石油メジャー4社に代わって、産地偽装での輸出を継続しているのである。

対露制裁に距離を置くトランプ政権

 もしトランプ政権がロシア産原油の輸出を制限し、収入を断つことで、ウクライナ戦争終結に向けた妥協をロシアから図ろうとするならば、これら迂回ルートである中間取扱い業者を継続的に特定し、SDN指定を拡大していかなくては制裁としての実効性を持たないことを意味している。

 トランプ大統領就任から1年以上が過ぎ、今のところそのような対露制裁を強化し、制裁の抜け道を塞ぐ手立てを全く執らないトランプ政権には制裁を通じてロシアに圧力を掛け、ウクライナ戦争を和平に導くという意思は見当たらない。さらには自らも主体的に関与する中東での混乱の余波で、ロシア産原油の輸入許可を与えたのに加え、米国が制裁対象とする液化天然ガス(LNG)プロジェクトからの中国への輸出継続も黙認している。

 中東危機を受けて、今や世界にとって相対的に重要な石油ガス輸出国として台頭している米国だが、バイデン政権の置き土産とトランプ政権によるアメリカ・ファースト路線によって、暴走するリスクを新たに生み出しているとも言えるだろう。対露制裁における同盟国である日本は対露だけでなく、対欧米政策においてもさらに密に連携し、国益を守りながら制裁の効果を最大化する戦略を練っていくことが喫緊の課題となっている。

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