移民問題の本質は“働かない移民”、イスラム教徒は既存文化を破壊する
12月20日。ホーチミンの安宿で離婚歴のある40歳独身のフランス人シェフと懇談。ボルドー西方の町でメキシコやアジア料理も取り入れたフュージョン系レストランで働いている。シェフはフランスへの移民の流入に断固反対であり、多文化共生を掲げるフォンデアライエン欧州委員長とマクロン大統領を罵倒した。
シェフは働かない不法移民をフランス国民の税金で養っていることが我慢ならない。特にサハラ以南の旧フランス植民地からのイスラム教徒の不法移民の増加が、フランス国民の負担となっていると強調した。フランス政府は働かない不法移民に仮の住まいとしてホテルの部屋を提供し、生活保護費まで支給しているのは許しがたいと非難。不法移民のイスラム教徒がフランス各地にイスラム教コミュニティーを形成しておりフランス文化が破壊されつつあると嘆息した。
不法移民の強制排除を主張するフランスに帰化したネパール人
12月21日。ホーチミンの安宿でネパール出身フランス人のクアンと歓談。クアンはネパールからフランスに働きに来て数年前にフランス国籍を得たという。彼は外国人の不法移民問題については強硬な反対論者であった。
フランスの法律に従い労働ビザを取得して長年真面目に働いて納税してフランス国籍を獲得したと自身の刻苦勉励を語った。ところが不法移民がフランスのみならず欧州全体で深刻な社会問題となり、アジア系の容貌からクアン自身がしばしば不法移民と間違われて嫌がらせを受けているという。
パリ在住のクアンによるとパリでは橋の下、公園、地下鉄の構内などあらゆる場所を不法移民・難民が占拠している。やはりアフリカ系が多いようだ。パリ五輪では当局がオリンピック開催中は一時的に不法移民・難民を郊外のホテルなどを借り上げてパリ市内から退去させた。ところがオリンピックが終わると直ぐに彼らは戻って来て“元の木阿弥”になったという。
“民衆に嫌われても正しい政策をするのが真の政治家”イタリア女子の正論
11月28日。タムコックのハッピーアワーのレストランでビールを飲んでいたら、隣のテーブルのトリノ出身の妙齢のイタリア女性2人組と合流することになった。驚いたことに1人はミラノ・コルティナ冬季五輪が開催されることすら知らなかった。「トリノと言えばイタリアを代表する自動車メーカーであるフィアットの本拠地ですね」と筆者が発言したら2人は首を傾げた。2人によれば現在のトリノはハイテク産業やファッションの街であり、トリノからフィアットをイメージするのは時代遅れと笑われた。
イタリアと言えば右翼政党を率いるメローニ首相が日本でも話題なので聞いてみると、2人ともアンチ・メローニであった。「メローニは資本家、金持ち優先のベルルスコーニの再来」と酷評した。イタリア経済も好調のようだがとメローニ擁護の質問をすると「現在イタリア経済が好調なのは5~6年前の前政権による改革の成果に過ぎない」とにべもない。
さらに「年金の支給開始年齢の繰り下げも前政権が断行して財政を再建した。民衆が嫌がる政策でも民衆を説得して正しい政策を実行するのが真の政治家である」と畳みかけてきた。「メローニは子ども扶養手当、失業給付増額など政権維持の人気取り政策で税金をばら撒いているポピュリスト」と断じた。
アンチ・メローニのリベラル派女子でも移民問題ではメローニ支持
興味深かったのはメローニ嫌いの2人が唯一評価したのは、メローニ政権の目玉政策である“移民問題への断固たる処置”という移民制限政策だった。保守もリベラルも移民問題では断固反対なのである。
日本では国論が分かれているようだが、欧州では反移民が絶対多数派であると認識した次第。ドイツでは移民の背景を持つ人々が総人口の3割を超えた。欧州では深刻な移民問題を背景に右派政党が伸張している。他方でオーストラリアでは、適正人口目標を達成するために約半世紀前に白豪主義を捨てて非白人移民を広く受け入れる多文化共生社会を目指している。
はたして日本の将来はどうあるべきか。日本における外国人労働者受け入れに関する制度設計について注視してゆきたい。
(了)
