フランスのボンヌ、ビュクワルター両外交補佐官が2月に訪露し、欧州の交渉参加を要請したのが至近の働きかけだ。関係者によれば、ウシャコフ外交補佐官とコスチュコフ情報総局長はこれを拒否する一方、他の欧州からの連絡にはオープンと反応。プーチンと接触がある筋によれば、彼の一般的立場は、相手が建設的ならロシアも建設的になる、さもなければ対話に関心は無い、ということだ。
プーチンと接触し非公式対話に関与している筋によれば、「プーチンは、ドンバス地域東部からのウクライナ軍撤退を対話開始の条件にしている。プーチンは、今年中にドンバス全体を力で占領するつもりだ」。
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楽天的なトランプ
トランプは、つくづく楽天的な人間だ。先の訪中は、始まる前から勝負がついていた。すなわち、11月の中間選挙という期限がある中での米国製品購入増加と、イラン戦争解決という2つの課題実現のため、台湾武器供与延期と中国のイラン原油購入承認という限られた梃しか持たず会談に臨んだトランプ大統領は、台湾問題一点集中で、レアアース規制、米国製品買い増し、イランへのホルムズ海峡封鎖中止働きかけという各種の梃を準備して臨んだ習氏に最初から負けていた。
結局、2つの梃を、米国製品購入積み増し実現の為だけに使わざるを得ない状況に自らを追い込んだ(トランプ大統領は、全て自分が決めると言うが、9月24日の習近平訪米さえ交渉マターである中で、台湾武器供与延期と中国によるイラン原油購入承認を受け入れないとの選択肢は無いだろう)。
これ以上に驚くのは、ある報道によれば、トランプ大統領は、訪中でイラン問題を解決し、その帰路にウクライナを電撃訪問し、長期停戦、和平合意を実現する、というシナリオを持っていたというのだ。確かに、訪中前の8日にトランプ大統領は、ロシアの戦勝記念パレードに係る3日間の停戦成立を発表し、その後しきりと和平合意は近い、と語っていたが、流石にこれは、「妄想」の域だろう。
そのような状況の中で、EUがロシアとの和平協議に乗り出すのは、遅きに失した感があるが、不可避的動きだろう。なぜなら、暫くは米国の関心がウクライナに戻ってくることは無いからだ。
