世界各国から出る〝経験者たち〟の声
一方、海外ではどうだろうか。4日、米国ワシントンである中国人男性が記者会見を行ったことが注目された。男性の名前は劉俊(アーサー・リュウ)氏。今年、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのフィギュアスケート女子シングルで金メダルに輝いたアリサ・リュウ氏の父親だ。
劉氏は四川省出身。天安門事件の時、広東省の名門、中山大学に在学する大学生だった。民主化運動にかかわったことから米国に亡命し、米国で弁護士資格を取得、活躍している。
妻と離婚後、アリサを含めて5人の子どもをもうけたが、すべて卵子提供と代理母出産によって生まれたといわれている。弁護士として成功し、多額の教育費をかけて子どもを育てあげた。
順風満帆であるかのようだが、米国でも中国当局が常に監視し、圧力をかけ続けてきたという。記者会見の席で「抑圧は続いている」と語った。
劉氏は娘のアリサがフィギュアスケート界で頭角をあらわすようになると、中国当局から親子で標的にされるようになったと以前のインタビューでも答えている。「政治的な発言をしないよう、脅しをかけられた。(事件で犠牲になった人々のことを)決して忘れてはならない」と語った。
ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの期間中、アリサの出自が注目されたが、中国はアリサが金メダルを獲得すると、アリサの中国名で、「金美賢が金メダルを獲得した」と報道したこともあった。同じ時期、米国生まれで米中ミックスのスキー選手が中国国籍に変更し、中国代表としてオリンピックに出場したが、アリサは米国代表として出場した。
天安門事件の時、学生リーダーだった人々の中には、中国で指名手配されて逮捕・投獄された人もいるが、一部は海外に亡命している。彼らは中国から香港を経由してアメリカ、フランス、台湾などに住んでいる。
今年4月、NHKの「映像の世紀 バタフライエフェクト」で「華僑」をテーマにした内容が放送された際、事件のリーダーのひとりだった李録氏が紹介された。李録氏は南京大学在学中に民主化運動にかかわり、事件後、香港経由でフランスに渡り、のちに米国にたどり着いた。現在は米国で世界的に有名な投資家のひとりとなっている。
