2026年6月9日(火)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2026年6月9日

 リーダーのひとりで、日本でも知名度が高いのはウアルカイシ氏だ。ウアルカイシはアメリカに住んだのち、現在は台湾に住んでいる。3日に東京都内で記者会見を行い、英語で「日本はアジア最大の民主主義国家。今こそ自由と民主主義を守る唯一の勢力として中国の脅威に立ち向かうべきだ」と訴えた。

各地での動き

 その台湾では、民主団体が追悼集会を行った。台湾の頼清徳総統はSNSで「暴力や監視で人々の意見を抹殺するべきではない」と述べて中国政府を批判した。

 一方、長い間、中心部のビクトリア公園で追悼集会が行われていた香港では、2020年に香港国家安全維持法(国安法)が施行されて以降、追悼の動きは完全に封じ込められている。ビクトリア公園では親中派団体によるまったく別のイベント(中国物産展)が実施されていて、様変わりしているうえ、警官も配備されていて、毎年6月4日は厳戒態勢となっている。ろうそくや花束を持った人は、一瞬にして警察に拘束され、「公秩序を乱した容疑」で警察車両へと連行された。

 日本では集会が行われたほか、東京都内で事件に関する写真展が行われ、日本人や中国から来日している留学生が訪れた。日本には約93万人の中国人が住んでおり、事件については、多くの人が知っていると思われる。当日、ウィーチャットやフェイスブックなどには、直接的ではない形で、事件を追悼する人もいた。

 欧米や日本など海外の一部では、現在も6月4日前後に動きがあり、メディアで報道されているが、中国では厳しい規制が敷かれ、風化の一途を辿っている。ウアルカイシ氏は会見で、昨年父親が亡くなったことを明かし、「手遅れが近づく前に、母親を抱きしめたい」と語っていたが、当事者の親世代はすでに80~90代になっている。

 ウアルカイシ氏も58歳だが、海外に住む事件の関係者も、すでに50代後半から70歳代になっており、事件から長い歳月が経ったことを感じさせられる。

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