台湾はウクライナで生まれた革新的な手法を、より海洋性が強く、航空脅威にさらされやすい戦域に合わせて作り変える必要がある。台湾には、ウクライナの「デルタ」システムに相当するものも必要だ。ただそれは、台湾独自の状況から得られたデータに基づいて訓練されたものでなければならない。
また、現場の課題に最も近い人々に、解決策を絶えず改善する権限を与えるべきだ。台湾の潜在的な敵対勢力は、ドローン、世界最大規模の通常弾頭ミサイル戦力と製造能力を有している。
台湾は希少で高価な迎撃ミサイルの限られた備蓄に頼るわけにはいかない。手頃な価格で多層的かつ強靭、そして十分な量を備えた防衛手段を配備し、危機に先立ってそれらを製造・備蓄しておく必要がある。
台湾にとっての選択は、高価にもかかわらず脆弱性が増している有人プラットフォームを少数調達し続けるか、それともより困難な課題、すなわち大量消費の可能な戦力を構築し、運用できる体制の整備に取り組むかにある。ウクライナ戦争から得るべき最大の教訓は、存続を望む国家は、自国をいかに防衛するかを学ぶ意思を持たねばならないということだ。
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台湾が抱える独自の課題
ウクライナ戦争と言えば、ドローンが大きな役割を果たしていることは良く知られているが、その背後に、戦場における指揮統制を支える優れたソフトウェアの存在がある。ウクライナは14年のロシアによるクリミア併合を受けて、15年頃から独自に情報集約と共有のためのソフトウェア「デルタ」の開発を進めてきた。
22年2月のロシアによる全面侵攻以降は、徐々にプリズム、ゴッサム等、米国製のソフトウェアとの連携が可能となり、今日「デルタ」は、戦場における意思決定において不可欠の役割を果たしている。特に、本年に入ってからのウクライナの優勢は、これらソフトウェアの存在なくしては考えられない。
戦争においては「どの兵器を導入するか」も重要であるが、「導入した兵器をどう使うか」はそれ以上に重要だ。これが指揮統制の問題であり、これこそがウクライナ戦争から台湾が学ぶべき最大の教訓である、というのがペトレイアス論文の眼目だ。
