2026年7月25日(土)

新しい〝付加価値〟最前線

2026年7月25日

トップランナー制度で磨かれた技術

 日本は石油が取れない。戦後から脱出、日本も頑張れるとなった高度成長期の1973年、第四次中東戦争と産油国の減産・禁輸のため、オイルショックが発生。不景気というより、パニックすらあった。トイレット・ペーパーの買い占めだ。これでは、国がなり行かないと判断し、日本は国家石油備蓄を、1978年から始める。また並行して、1979年省エネ法が施行される。

 日本の夏が本当に暑くなったのは1993年から。そして今までに何度も改正が行われている。1998年も、1997年の地球温暖化防止京都会議の結果を繁栄し改正されているが、このとき国が定めた家電はトップランナー式で、期限付きで省エネすることになった。当然、エアコンはこの時から入っている。

 トップランナー式は基準を設定、その基準をある期間内にクリアする方法で、基準を決める時、その時販売されている一番性能の良いモデルを使うため、トップランナー式と呼ばれる。最初は、1998年を基準に設定。目標は2004年だった。以降、継続され、今は2022年基準、2027年目標。26年の現在、目標は上位モデルから達成されはじめている。

 メディアによっては、エコノミークラスがまだ達成されていないことを心配する声もあるが、あと1年ある。

 ただ、かなりのことをやり尽くしたのも事実。パナソニックは目標達成するための新技術を説明してくれたが、ここまでするのかと思ったのも事実。クルマの燃費がハイブリッド化で大幅改善されたように、今までと全く違う発想が必要だ。

 だが、この高効率ヒートポンプこそ、「改善」の積み重ね。日本品質の真骨頂。地球温暖化が進む時代、各国は喉から手が出るほど、欲しい技術だ。

頭の痛いデータセンター問題

 また地球温暖化は、今後のキーを握るAIに対しても、ストップをかける。ご存知の通り、AIを動かすには、膨大な電力がかかる。Google検索1回が約0.3Whなのに対し、従来の生成AIモデルでは1回の質問で約2.9Whと、約10倍の電力を消費するそうだ。多くの場合、この電力消費はデーターセンターに集中する。

 これを上手くビジネスに結びつけたのがアイスランド。寒冷な気候、地熱による発電と、安くデータセンターを運営する条件に恵まれている。

 一般にデータセンターは、そのデータが使われるエリアにあった方が便利だ。が、国家機密レベルの情報以外は、このようにデータセンターに合ったところで運営されることになるのかもしれない。

 AIなくてもやって来た人類ではあるが、AIを使い出すと止められない。特に、先端技術の開発には欠かせない。が、その時、半導体が出す膨大な熱処理には、水冷など、いろいろトライされている様だが決定的な回答はない。AI需要が減ることはないだろうから、効率の良い冷却装置は必要だ。

 このため、日本のエアコンメーカーは鵜の目鷹の目で狙われている。25~26年で、富士通ゼネラル(現ゼネラル)はパロマリームホールディングスの傘下に入り、日立の「しろくまくん」は、ボッシュホームコンフォートジャパンが扱うことになった。パロマはガス、電気の二刀流で、ボッシュは地の利で欧州を狙っていると思えるが、まだ本音を覗かせてはいない。

 このように、ヒートポンプを巡るビジネスは熱を帯びている。そして、日本メーカーはその中心にいる。今からの活躍が楽しみである。

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