2026年8月4日(火)

台湾「麗しの島」の実像

2026年8月4日

新竹科学園区管理局 副局長  游静秋 氏 (Jing-Chiou Yu)

​游氏(左)と、同管理局の黄振軒氏(右)。黄氏の通訳を介し、和やかに取材が行われた

❝台湾のエコシステムは40年以上の歴史の中で育まれた❞

 新竹サイエンスパーク構想きっかけは、1970年代に発生したオイルショックでした。当時、労働集約型産業が主流だった台湾は深刻なインフレや人件費の高騰に見舞われました。そこで政府は、台湾の産業構造を労働集約型からハイテク産業へと転換するべく舵を切ったのです。

 その際に、海外にいた華人エンジニアから「米国のシリコンバレーに学び、台湾にサイエンスパークを開発すべきだ」との提案を受け、サイエンスパークが設立されることになりました。

 我々管理局の上部組織は国家科学及技術委員会(NSTC)です。政府は管理局に特別な法的権限を与えています。例えば、パーク内の全ての企業や機関は、政府からの承認の上、管理局によって導入されます。また、これらの企業の設立支援や会社登記の手続き、さらに環境保護や建築物の審査に至るまで我々が対応します。パーク内で活発に行われている産学連携もサポートします。例えば、共同研究のテーマは、政府の産業政策の重点に沿って選択されますが、その調整も行います。つまり、管理局はパーク全体の運営に全責任を負っています。

 台湾の強力なエコシステムモデルは、新竹サイエンスパークの40年以上という長い歴史の中で、時間をかけて構築されてきたのです。

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Wedge 2026年8月号より
台湾「麗しの島」の実像 日台新時代を拓く「3つの視座」
台湾「麗しの島」の実像 日台新時代を拓く「3つの視座」

かつてポルトガル人が「フォルモサ(麗しの島)」と呼んだ台湾。半導体産業で世界の最先端技術をリードし、日本統治時代の記憶も、歴史の一部として内包している。一方で、現在は米中対立の最前線に立たされ、難しい現実に直面している。国際社会で複雑な立場にある台湾とともに、日台新時代をどう拓くのか─。「3つの視座」から考えたい。


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