2026年8月9日(日)

つくりびととの談い

2026年8月9日

 かくて2001年、前代未聞の継手、まるみ君がデビューを果たす。

鍛造品の継手(左)と、まるみ君(右)。小さな部品ながら「可能性の塊」だという

 命名者は木村さん自身である。

 「パイプを曲げて作っているから、管路がR(円弧)状になる。だからまるみ君なんです。うちの製品には高圧がかかりますが、このRのおかげで管路抵抗が少なくなって油の流れもよくなりました」

 歩留まりも格段に向上した。

 「鍛造品の場合、製品を作るのに133㌘の材料が必要ですが、まるみ君はドリルで穴を開けないから、同等の製品を作るのにわずか54㌘の材料しかいらないんです」

 工程が少なく、品質もよく、歩留まりもいいまるみ君は、文字通りトキワ精機の〝救世主〟となったのだが、木村さんは「まるみ君に教わったことがたくさんある」と不思議なことを言う。

必要に迫られた製品開発で
思わぬ学びがもたらされた

 「まるみ君はダイヤの原石なんかじゃなくて、もう、ダイヤモンドそのものなんですよ!」

 いささかハイなテンションでこう語るのは、トキワ精機の生産本部長・福井幸平さん(48歳)である。

福井幸平さんは、まるみ君を持ち「手仕事を大切にしたい」と話した

 福井さんによれば、まるみ君は日本が50年に実現を目指すカーボンニュートラルに向けて輝きを増していく〝可能性の塊〟なのだという。

 「東京都はカーボンニュートラルに先立って30年にカーボンハーフの実現を目指しているので、ユーザーさんの多くが脱炭素に取り組まざるを得ない状況にあります」


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