2026年9月18日(金)

Wedge REPORT

2026年9月18日

 本当に安全で素晴らしい技術ほど、人々の関心を引き理解を得ることは難しいものです。逆に、事実とは違っていても、不安をあおる危険なストーリーほど、人々の関心を引きやすく、事実そうなっています。しかし、エモーショナルなムーブメントは、結果的に持続可能な農業を破壊し、次の世代に負の遺産を残す可能性を高めます。

 当農場のYouTube「トゥリーアンドノーフチャンネル」では、海外の生産現場や農家へのインタビューを積極的に発信しています。映像を通じて「現場の事実」を伝えることで、少しずつですが、テレビ出演や農林水産大臣との対談といった、政治や社会の表舞台で発言する機会も増えてきました。

ファーストペンギンとしての覚悟

 GM作物やゲノム編集作物の社会実装を進める上で、最も重要なのは「農家自身の関心」です。消費者の理解を得ることも大切ですが、それ以前に、私たち作る側が「この技術が日本の農業を守るために必要だ」と声を上げなければ、何も始まりません。

 もちろん、反対意見や不安の声があることは承知しています。だからこそ、現場を知る人間が科学的根拠に基づき、かつ経営者の実感を持って語り続ける必要があります。閉鎖的な日本の農業界において、私は、群れの中から最初に海へ飛び込む「ファーストペンギン」でありたいと考えています。たとえ冷たい海であっても、そこに未来の糧があると確信しています。そして、大離農時代を、日本農業の「終焉」ではなく、テクノロジーと経営感覚によって「再定義」するチャンスに変えて行きたいと思います。

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