2024年7月15日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年9月2日

 日中首脳双方が訪問したのは、ブラジルである。ブラジルは、中南米経済の牽引役である。育ちつつある中産階級が、今後の消費市場の拡大を促すだろう。また、政府のインフラ計画が、建設契約を約束する。ブラジルの鉄道網開発では、激しい競争になっているようだ。中国は、巨大インフラ建設のハード・ウェア及び労働力の提供に長けている。一方、日本は、油田や鉄道網をつかさどるコンピュータ化された先端技術システムに優位を持つ。

 ただ、中国には資金的余裕がある。習主席は、ブラジリアで、中南米プロジェクト基金として250億ドルの借款供与を発表した。ブエノスアイレスでは、パタゴニアで中国が建設する2つの水力発電ダムに50億ドルの借款を約束した。ハバナでは、キューバの債務繰り延べとキューバへのソフト・ローン及び貿易信用の増額を決めた。

 が、日本政府は、物事を別の見方で捉えている。日本製品の質の高さを別にしても、ブラジルやペルーには、約200万人の日系移民がいる。そして、もう一つ日本の有利な点は、民主主義である。「日本は、政治的価値を重んじる。日本政府は、それを今まで十分に活用して来なかった」と谷口参与は述べた、と報じています。

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 安倍総理の中南米訪問を、その直前の習近平主席の同地域訪問に対比して報道している解説記事です。客観的な事実に即した報道ですが、少なくとも、論説の最後に引用されているのが、日本の立場を表明した谷口参与の発言であるという点で、日本に好意的な論説であると言えます。

 ともあれ、日本を中国に対抗する勢力として対比するような論説が出たことは、20年このかた無かった事のように思います。最近の日本の動向について、国際的に、日本に対する何らかの期待が生じていると考えて良いのかもしれません。

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