そういえばわたしの知り合いの大学教授がウランバートルを訪れてタクシーに乗ったとき、運転手さんから「日本人ならユキ(小長谷有紀)を知っているか」と言われたそうです。それを聞いて自分の仕事がものすごく広い層にインパクトを与えていることがわかって、ほんとに驚きました。
文化人類学は社会の実態解明ですから、新しい姿をどう見ていくかということもだいじだと思います。わたしのアンテナは、いつも三本立っている。圏外には行きません、みたいな(笑)。
出会いながら、その背後に隠れた論理を言語化する努力を続けていく。他人にきちんと伝えるということは、なにより自分のためになるんですよ。
──貴重なお話をありがとうございました。
小長谷有紀(こながや・ゆき)
大学共同利用機関法人 人間文化研究機構理事。国立民族学博物館民族社会研究部・併任教授。専門分野は文化人類学、文化地理学、モンゴル・中央アジアの遊牧文化。著書に『モンゴルの春―人類学スケッチ・ブック』(河出書房新社)、『モンゴルの二十世紀―社会主義を生きた人びとの証言―』(中央公論新社)、『ウメサオタダオと出会う 文明学者・梅棹忠夫入門』(小学館)ほか。2013年紫綬褒章受章。
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