2024年4月20日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年2月18日

 今日の民進党は、「92年コンセンサス」なるものが曖昧であるとして、受け入れを拒否しています。「コンセンサス」自体はたしかに曖昧なものですが、中国とビジネスを行っている台湾の企業関係者はこの「コンセンサス」を受け入れることが、中国との関係で一種の免罪符となってきた現実を身に沁みて知っています。

 来年の総統選挙で復権を狙う民進党が、この問題に如何に対処するべきかについて、目下、民進党関係者を中心に多くの論議が交わされています。今日の民進党の課題は、台湾の事実上の主権を守りつつ、中国と一定の距離を保ちながらも良好な関係を維持するための方策を見出すことであり、直ちに台湾独立を打ち出す構えではありません。

 習近平体制下の中国は、今後とも硬軟両様の方針で台湾に対処しようとしており、場合によっては武力解放を辞さず、との姿勢を示しています。しかし、今後、国民党、民進党とも、どのように対応するのが適切か、いまひとつ明瞭な具体的対応策を打ち出すに至っていません。

  
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