2月上旬、湾岸のドバイ首長国に出張してきた。目的は2月8日から12日にかけて同国で開催された「湾岸食品(Gulfood)2015」展示会を視察される日本企業の約50人の方々のご案内であった。
「湾岸食品」展示会の様子(JTBコーポレートセールス)
今回のドバイ訪問は、開催の約10日前に日本人人質殺害事件が起きていただけに、同国がテロ事件にどの程度神経を尖らせているのかをうかがい知る良い機会ともなった。
結論から言えば、展示会場となったドバイ・ワールド・トレード・センターの安全対策は、少なくとも表面的には極めて緩いものであった。会場であるセンター内の各ブースの入り口には警備員がおり、それとなく入場者をチェックしていたものの、大きな鞄を持っていた筆者は特段中身の検査を受けることもなく中に入ることができた。
とりわけ驚いたのが、外部からドバイ・ワールド・トレード・センターへは、簡単に出入りができたことである。仮に、筆者がテロリストであれば、爆弾であろうが、マシンガンであろうが、たやすく持ち込むことができたはずだ。
要はそれほどセキュリティが緩やかだったのだが、油断しているというよりも、むしろ何事も起きないと確信しているかのような警備態勢に思えた。周知のように、ドバイは許可さえ得ればホテルやレストランでアルコール類を供することが出来るし、バーやクラブといったナイト産業も発展している。外国人が積極的にドバイを訪れ、さらには喜んで働いてくれるためにはアルコールやナイトライフという仕掛けがなくてはならないと考えているからだ。