世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年4月28日

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 過去60年間に亘り、日韓両国を防衛してきた米国には、両同盟国に対し相互の防衛協力強化を求める理由も、そのための影響力もある筈である。

 日韓両国にどのような歴史問題があるとしても、両国は自らの直近の地域で深刻な脅威に直面しているのである。両国が自衛のために相互に協力することを確保し、アジア全体の安定を確保することが米国の果たすべき役割である、と述べています。

出典:Kent Harrington‘America’s Bickering Asian Allies’(Project Syndicate, March 20, 2015)
http://www.project-syndicate.org/commentary/japan-south-korea-defense-partnership-by-kent-harrington-2015-03

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 ハリントンが日韓両国に求めている軍事面での相互協力は、韓国が拒否している為に着手出来ていない面が多く、彼は表面的には日韓両国に注文を付ける形を執っているが、実質的には韓国の姿勢に対する厳しい批判の論調と言えます。米国の有識者の間で韓国に対する不満が高まっている証左とも言えるでしょう。

 ハリントンは言及していませんが、韓国が日本との安全保障面での協力に消極的である背景には、日本との歴史問題の他に、中国に対する配慮があることは否定し難いことです。北朝鮮の核・ミサイルの脅威に曝されているだけでなく、興隆する中国の圧力を強く受けている韓国としては、米国の同盟国でありながら、中国を敵に廻したくないとの配慮が強いのでしょう。

 なお、北東アジアにおける最大の脅威の一つは、北朝鮮の核・ミサイル計画の進捗ですが、この脅威を管理することについては、日、米、韓、中、露の間に共通の利害関係が成立し得る余地があります。六者協議の再開を目指すことについて5カ国の間で協力を進めることが、関係諸国間の不必要な対立を緩和する上でも有益かもしれません。イランとの核交渉が成果を挙げる場合には、そのような可能性も開けて来るのかもしれません。

  
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