秋津っ子バザーに少年A現る
ところが売り逃げ少年Aは、翌年も秋津っ子バザーにやってきました。
「ほら、あいつ、去年の売り逃げ少年Aだよ!」と、私は太っ腹でおおらか父さんに声がけしました。
「おお、今回はどうするのか見ていよう!」と、太っ腹でおおらか父さん。
さて、子どもバザーが終了し、売り逃げ少年Aが受付にいる私のところにやってきました。
子どもたちはおやじたちの改修作業を横目にザリガニ釣りを楽しんでます。
「おじさん、ありがとう!10%、寄付だよね!」といいながら、今回はちゃんと収めたのでした。
横にいた太っ腹でおおらか父さんは、「待ちゃぁいいんだよ、待ちゃぁさぁ。自分で気づくんだからさぁ」と、またまた太っ腹でおおらかにいいました。
この売り逃げ少年Aのことで私は考えました。
たとえ少年でも、「楽しいことを続けるためには一定のルールがあり、それを守らないといけないんだ」と気づくんじゃないか、ということ。
つまり、社会性が売り逃げた1年のトキを要して少し身についたんじゃないかということです。
それに対して、チクリにきたお母さんにとっての「売り逃げは悪いこと」といった「常識」に、もしも私たちにお父さんが同調し、売り逃げ少年Aを叱っていたならば、少年Aの心の成長にブレーキをかけていたかもしれないなぁということも考えました。