FDAの資料によれば、2003年の時点で平均的な成人のPHOsからのトランス脂肪酸摂取量は4.6g/日で、1日に2000カロリーを摂取しているとするとそこに占める割合は2.0%に上っていました。マーガリンやパン、菓子等に多く含まれていました。
乳製品や植物油等として食べる量も含めると、1日のトランス脂肪酸トータルの摂取量は5.8g、エネルギー摂取量の2.6%でした。
WHOの勧告目標は、総エネルギー摂取量の1%未満。これは、天然由来、PHOsなど工業由来、両方を合わせての目標です。1%未満であるべきなのに、国民平均が2.6%なのですから、アメリカ人の摂取量が、2003年の時点で非常に多かったことがわかります。
含有量低減が加速した03-06年の栄養摂取調査や製品調査などを基に2010年にも推定が行われています。その際には、2歳以上のアメリカ人のPHOsからのトランス脂肪酸摂取量は平均で1日1.3g(総エネルギー摂取量の0.6%)まで下がりました。
しかし、人口を、摂取量が多い順に並べて10%のところにある人の数値(90パーセンタイル値)の摂取量は、2.6g(同1.2%)。PHOs由来のトランス脂肪酸のみでこの数値ですから、アメリカ人の摂取量はまだまだかなり多いことがわかります。
マーガリンやパン、揚げ物等の低減は進みましたが、冷凍ビスケット、ケーキやドーナツなどの表面につけるフロスティング、冷凍ピザ、電子レンジで作るポップコーンなどの中には、高含有量の製品もまだありました。