食の安全 常識・非常識
農薬や食品添加物、遺伝子組換え作物から食品偽装、さらには放射線や生肉問題まで、定期的に、頻繁に、世間の話題にのぼる「食の安全」に関するあれこれのニュース。しかし、それらに関する報道は、残念ながら消費者に誤解を与えるようなものが少なくない。食の「安全」と「リスク」を正しく理解するために、科学に基づいたニュートラルな情報や問題が起きた社会的背景などを解説し、消費者が勘違いしている食の「常識・非常識」に切り込んでいく。

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2021年は、家庭菜園向けに苗を無料配布
2020/12/15 松永和紀ゲノム編集技術により、機能性成分のγ-アミノ酪酸(GABA=ギャバ)を多く含むように品種改良したトマトが国への届出・情報提供を終え、商用化へと一歩を踏み出しました。ゲノム編集食品の届出第1号。詳報します。
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ノーベル化学賞授与、商用栽培が始まる前に正しく理解
2020/12/03 松永和紀ゲノム編集技術ツールの1つを開発した二人の女性科学者にノーベル化学賞が送られる。日本でも近く、商用栽培へ走り始める見込み。危険だと主張する声もあるが、医療分野と品種改良での使われ方を区別しないと、意義も問題点も理解できない。
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山本茂貴氏(食品安全委員会委員)インタビュー
2020/09/22 松永和紀中国で冷凍食品から新型コロナウイルスが検出されたというニュースが8月に流れ、食品による感染への不安が再燃している。これから流行するノロウイルス対策との混同も心配だ。食品安全委員会で微生物リスクを担当する山本茂貴委員に整理してもらった。
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2020/08/07 松永和紀
科学誌ネイチャーに、トレハロースが感染症流行の深刻な原因となっている、とする論文が掲載された。トレハロースは林原が開発した食品添加物。その後、論文内容を科学的に否定する論文が二つ出たものの、「問題ない」という情報は広がらない。
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佐々木敏教授(東京大学大学院医学系研究科)インタビュー
2020/05/25 松永和紀「新型コロナウイルス感染症と闘う」としてさまざまな食品が話題に上っています。その根拠(エビデンス)はいかほどのものなのか? どんな食生活がよいのか、東京大学大学院医学系研究科の佐々木敏教授にインタビューした後編です。
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佐々木敏教授(東京大学大学院医学系研究科)インタビュー
2020/05/21 松永和紀新型コロナ予防において、どの食品にエビデンス(科学的根拠)がどの程度あるのか。日本の栄養学の第一人者で医師でもある東京大学大学院医学系研究科の佐々木敏教授に、人気の乳酸菌やビタミンD、さまざまな食品の“効き目”から情報の読み解き方まで、詳…
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佐々木敏教授(東京大学大学院医学系研究科)インタビュー
2020/05/13 松永和紀新型コロナによる休校休園が続き、子どもたちは既に2カ月、給食を食べていない。それが子どもたちに与える影響はどの程度あるのか。どのように対処すればよいのか。日本の栄養学の第一人者である佐々木敏教授(東京大学大学院医学系研究科)に聞いた。
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2020/03/13 松永和紀
山崎製パン株式会社が3月、一部の角食パンに食品添加物「臭素酸カリウム」を使い始めました。臭素酸カリウムは遺伝毒性発がん物質とされ、添加物批判の記事や書籍等では必ず、猛批判される物質。同社は、臭素酸カリウムを2014年以降は使っていませんで…
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2019/09/27 松永和紀
豚コレラ問題は、非常事態に陥っています。農水大臣も「ステージが変わった」と発言、ワクチン接種を始めることを明らかにしましたが、すぐに接種できるわけではないのです。一体どういうことなのでしょうか。
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2019/09/06 松永和紀
豚コレラが発生してからもうすぐ1年。流行拡大は止まりません。どうして、感染拡大を食い止められないのか? この先、日本の養豚はどうなるのか?
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2019/07/09 松永和紀
ゲノム編集食品の安全性や表示をめぐり、ニュースが増えてきました。国も全国5カ所で説明会を開いています。しかし、品種改良の科学や表示制度の仕組みがよく理解されないまま、報道されているように思えてなりません。
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「より安全、健康的」という消費者の誤認がある
2019/05/09 松永和紀イーストフード、乳化剤は不使用、無添加……。パッケージに大きく書かれているパンがあるのをご存知ですか?
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からくりを国立衛研安全情報部長・畝山智香子さんに聞く
2019/04/18 松永和紀「超加工食品ってそんなに悪いのですか?」。そう尋ねられる機会が増えました。週刊誌やウェブメディアでは「がんリスクを10%も上げる」「死亡率も上昇」「食べてはいけない」と報じられています。標的になっているのはインスタント麺やスナック菓子、炭…
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健康効果の読み解き方(後編)
2019/03/27 松永和紀紅茶を飲む、紅茶でうがいをする、紅茶で手を洗うなどで、インフルエンザの感染・感染拡大が防げるという“流行”は、紅茶が売れれば儲かる企業の情報が基になっています。実は、世界中で今、食品企業の研究に厳しい目が注がれています。
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健康効果の読み解き方(前編)
2019/03/26 松永和紀毎年冬になると、「インフルエンザ予防によい食品」というニュースがテレビや雑誌、ネットなどで流れます。おなじみなのはヨーグルトの乳酸菌。でも、私から見れば、乳酸菌も根拠は希薄なのです……。なんて思いながら企業サイトを調べていて、すごいのを見…
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2018/11/06 松永和紀
遺伝子組換え食品の表示制度が数年後、変わることになりそうです。案はどのようなものなのか。新しい制度でこれまでの批判は解消されるのか。ポイントを整理してみました。
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2018/06/21 松永和紀
最近、週刊誌がまたもや、「食が危ない」という記事を量産しています。食の安全取材歴20年近い私としては、周期的にやってくるこの“ブーム”にはもううんざり。ところが、消費者側の反応がどうもこれまでと異なるようです。
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ネットに氾濫する不十分情報に注意を
2018/02/13 松永和紀食品添加物トレハロースが感染症流行の深刻な原因となっている、とする話題が先月、騒がれました。根拠は、科学誌ネイチャーに載った論文。しかし、論文にはかなり大きな問題があり、筆者が見る限り、感染症の原因と言えるような根拠は、崩れ去っているとい…
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2017/11/02 松永和紀
食品に毛髪や虫等の異物が入っていた、という事例はよく、世間を騒がせますが、その多くは実は、生産の際には入っていません。消費者段階で入っています。しかし、事業者は謝っているのです。
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2017/10/06 松永和紀
消費者庁が、健康食品に関する新しいパンフレットとQ&Aを公表した。消費者庁といえば、ともすると健康食品を推進する役所と見られがちだが、今回の中身はまったく異なる。とてもわかりやすく、単刀直入に健康食品の問題点を指摘しているのだ。