「払おうと思ったんですが、たまたまその日、友人に会ったので、そのことを話したんです。すると、『怪しいよ、その“ケンタくん”。彼、きっと世の中に5人はいるよ』と強く反対されたんです。でも、まだ半信半疑で彼を信じる気持ちもあって、家に帰ってからネットで調べてみたんです。そしたら、本当によくある手らしくて、同じ“ケンタくん”に引っかかった女性の話がいっぱい出てきました」
別のサイトでまた出会うも……
そこで、やっと目が覚めた。
「ただ、私にもどこかおかしいと思う正常さは残ってたんでしょうね。最初の3000エナジーは、（さらに被害が拡大する恐れのある）クレジット払いにしないで、コンビニ払いにしていたんです」
それでも不安は芽生えたので、翌朝、“サイバーポリス”に通報して、免許証も更新した。
ショックを受けた奈央さんだったが、打ちひしがれる暇もなく、最初に入ったBというサイトで、「会おう」と言う男性が現れた。この人も彼女が自分からメッセージを送った男性だ。
「今度は、大丈夫でした？」聞くと、
「……散々な目に遭いました」
「えっ？」
話に引き込まれていった。
⇒第3回後編に続く。
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