トルコのイスラム学者で、いわゆるギュレン運動(イスラム教徒の教育と宗教間対話の促進を図る)の主導者であるフェトフッラー・ギュレンが、8月27日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、イスラム教徒は、ISや他のイスラム過激派グループの全体主義的イデオロギーに対決しなければならない、と述べています。
すなわち、テロリストたちは、イスラムの名の下で暴力や殺戮を行っており、イスラム教徒は、この癌が社会で転移しないよう全力を挙げなければならない。
第1に、我々ムスリムは、暴力を非難し、被害者意識の犠牲になってはならない。テロリストがイスラムの名で重大な罪を犯していることは、コーラン、預言者ムハンマドの言行録から明らかである。
第2に、イスラムは全体として理解することが重要であるが、一人の無垢の人間の命を奪うことは人類すべてに対する罪であるというコーランの教えは解釈の余地がない。
第3に、ムスリムは尊厳、生命、自由という人権を広く推進すべきである。コーランは神が作った人間一人一人を尊重することは神を尊重することであるとしている。
第4に、ムスリムは、共同体のすべての構成員に教育の機会を与えるべきである。政府は、民主的価値を育てるような学科を準備すべきである。
第5に、ムスリムに宗教教育をほどこすことは、過激派に捻じ曲げられた考えを広める道具を与えないために重要である。
最後に、ムスリムは女性に男性と同等の権利を与えるべきである。
テロは多方面にわたる問題であり、政治、経済、社会、宗教の側面に取り組む解決策を考えるべきである。宗教だけの問題と考えると、若者、そして世界全体に害を及ぼす。国際社会はムスリムがテロの主たる犠牲者であることを認識すべきである。