住まいは10LDKの一軒家
地方ならではの“慣習”というか、“人目”を意識する風習からなのか、「人に貸すくらいなら、壊す」と考える空き家の持ち主が多いのだ。
「だけど、おかげで10LDKですよ! これなら子供が10人いても大丈夫じゃないですか」
子供の話が出たので、気になっていた“結婚観”について、聞いてみた。
「結婚……ですか。そうですよね、20代のころは、結婚願望はまるでなしでした。同級生たちがハンを押したように結婚してゆく中で、自分には縁のない世界だと思っていました。それよりも、仕事で自分の名前を残したい、たとえば、自分の名前のクレジットが載った広告ポスターを作りたいとずっと考えてました」
結婚したいし、子供も欲しい
「当時は、その先にいつか結婚したくなるときがくるかもとすら考えなかったです。むしろ、休日のフードコートにやってくるようなダサイ夫婦にはなりたくないなとさえ思っていましたね。ほんと、好き勝手言ってスミマセン……」
おどけた調子で笑顔を見せる。
「その後、30歳くらいになってもまだ、『結婚? なに?』って感じでした。出産を考える女性なら、30前後になったら相手を探すのが現代の……というより、遠い昔も同じ婚活事情なのでしょうが、そんな大切な30前後は、そういえば別居中のオジサマと付き合っていました。今思うと若気の至りですね。
だから、『気づいたらこの年になっていた』というよりも、そもそも結婚を最重視したことが今までになかったです。
でも、今は結婚したいし、産めるなら子供も産みたいと思っています。私は子供が大好きなので、人様の子供でもOKです。子連れの方でいい方がいたら、それもまた“ご縁”ですね」
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