2024年12月23日(月)

今月の旅指南

2015年11月20日

 千本釈迦堂の通称で親しまれている京都の大報恩寺。今から約800年前、鎌倉時代初期の創建で、安貞(あんてい)元年(1227)に建てられた寝殿造の本堂は、応仁の乱をはじめ数々の兵火を逃れ、往時のままの姿をとどめた貴重な建造物として国宝に指定されている。毎年12月7日と8日に催される「成道会(じょうどうえ)と大根(だいこ)だき」は、師走の京都の風物詩として名高い。

 釈迦が菩提樹の下で悟りを開いた日を記念して営まれる法要「成道会」にあやかって行われるようになった「大根だき」。その起源は、大報恩寺の三世上人が4株の丸い大根を縦半分に切り分け、切り口に梵字を書いて供えたものを「悪魔除け」とし、その大根を他の大根とともにたき上げて参拝者に振る舞ったこと、とされる。

 江戸時代中期頃に、中風、諸病除けの祈祷会がともに挙行されるようになったことから、これが「中風除け大根だき」の風習として定着していったという。

 例年、「成道会と大根だき」には、約5千本の大根が用意され、2日間でおよそ1万8千人の参拝者が足を運ぶ。自宅でたき上げたい人には、祈祷した生の大根の授与もある。湯気の立ち上るアツアツの大根を頬張れば、身体の芯まで温まってくる。冬の京都を散策するにも、うってつけだ。

味付けをし、大鍋でたき上げた大根が授与される(1椀1,000円)

成道会と大根だき
<開催日>2015年12月7~8日
<会場>京都市上京区・大報恩寺(東海道新幹線京都駅からバス)
<問>☎075(461)5973
http://www.daihoonji.com/

*情報は2015年10月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

◆「ひととき」2015年12月号より

 

 

 


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