選手使用のバットでTバッティングができるコーナーでは、今年の流行語大賞にもなったトリプルスリーを達成したヤクルトの山田哲選手とソフトバンク柳田悠岐選手、さらにプレミア12でサムライジャパンのメンバーとして活躍した中日平田良介選手のバットを使うことができた。オレンジ色が目立つ中日平田選手のバットを振った5年の丸藤くんは、「プロのバットはやっぱりすごく重かったので、自然と短く持ちました」とコメント。「上手く打てた」とお父さんと嬉しそうに次のブースへ移動していった。
キャッチボールの全国大会
今回のイベントでメインとなるのが、プロ野球選手会が振興している「キャッチボールクラシック」の全国大会。キャッチボールクラシックとは、1チーム9名が2分間で何回キャッチボールできたかを競う競技で、7m離れて5名と4名に別れた2グループで行う。ボールを投げると列の最後尾に移動するため、常にキャッチボールをする相手が変わり、ボールを投げる相手の身長や利き腕、技術力も変わることから、どんなボールを投げればいいかといった判断力を養うことにもつながる。
今回でキャッチボールクラシックは5回目の開催。第1回大会は、2011年に福島で行われた。これは、2011年3月11日に発生した東日本大震災により福島第一原子力発電所が被災したことが関わっている。放射性物質が拡散し、屋外での活動制限が行われた地域に暮らす子どもたちは、野球ができなくなってしまった。福島県の先生たちは『子どもたちの笑顔のために何かできないか』と働きかけ、その熱い思いが、プロ野球選手会に届き、2011年12月に福島でキャッチボールクラシックが始まったのである。
第5回大会となる倉敷での全国大会には、予選を勝ち抜いた小・中学生が集まり、普段の練習で培った技術を競った。大阪府枚方市の蹉跎中学の選手たちは「緊張してます。みんなめっちゃでかいですよね。僕たちみんなちっちゃいんで、『スモールベースボール』で頑張ります」と一次予選は6位で通過。「ギリギリ」と笑顔だったが、準決勝には残れなかった。
小学生ゾーンを見ると、群馬県の乗附ライオンズに女子が目立って多いのが分かる。コーチに話を聞くと「チームに4人いるのですが、お兄ちゃんがやっていて、妹も入るってパターンが多いんですよ。上の子を見ていると上手くなるのも早い。スタート位置が高いんですね。キャッチボールは、精神的なことも含めて、1000回のキャッチボールをしていたりと、キャッチボールクラシックにはあっていました」と準決勝に勝ち進んだ。