2022年8月14日(日)

World Energy Watch

2016年1月3日

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山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学名誉教授

NPO法人国際環境経済研究所所長。住友商事地球環境部長などを経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

原油価格の下落と米国の原油輸出解禁

 原油価格の下落が続いている。石油輸出国機構(OPEC)が生産調整を行わないのも一つの理由だが、米国でのシェールオイルの生産量が増えていることも影響を与えている。米国はサウジアラビアとロシアを抜き、世界一の石油、天然ガス生産国になった。米国の原油生産量と輸入量は図-2の通り逆転した。

 米国の製油所は、中東、南米からの重質油を扱う設備が多く、シェール革命以降米国内で生産が増えている軽質油がだぶつくようになり、米国の基準油価であるWTIが常に国際価格とされる欧州のブレントを下回るようになった。図-3の通りだ。この状態を解消する手段が、1975年の12月から40年間続いた米国産原油の輸出禁止を解くことだった。

 米国内の原油価格の下落は生産の減少を引き起こし、米国の原油の輸入依存度を再度高めることになるとの危機感がこの決定の背景にあるとも言われている。加えるに、輸出の解禁により、原油生産は日産1100万バレルを超え、新規雇用はピーク時には100万人近くに達するとの目論見もある。

 米国の原油輸出が市場に与える影響については、中国の景気など不透明な要素があるが、ゴールドマンサックスは最悪バレル20ドルもあり得るとみている。2016年のWTIの平均価格の予想はバレル45ドルとしている。

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