テロで揺れるパリにおいて、11月30日から気候変動枠組み条約 (UNFCCC) 第21回締約国会議が開催されている。会議はCOP21と呼ばれているが、COPはConference of the Partiesの略で、「当事者の会議」の意味であり、UNFCCCの会議に限らずあらゆる会議が該当する。例えば、2010年に名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議はCOP10と呼ばれた。しかし、COPと言えばUNFCCCの会議を指すことが多いようだ。
今年のCOPは、2020年以降の世界の温室効果ガスの排出量を抑制し気候変動問題に対処する新取り決めを議論する場であったため注目を浴び、世界196カ国の参加があった。COPでの議論の内容については別途ご報告する機会があると思うので、今回はCOPにまつわる余談と、パリのいまの姿をご報告したい。
COPには誰でも参加できるのか?
COPには誰でも参加することはできない。交渉を行う政府関係者以外は、UNFCCC事務局に登録が認められた研究機関、ビジネス関係の団体、環境NGO、マスコミの関係者などに限定される。今回のパリのように2020年以降の新しい枠組みを決める重要な会議になると各組織からの参加希望者が多くなるが、組織ごとに参加者の人数枠が決まっており、希望者全員の参加は叶わない。
参加が認められた場合には、写真付きの入場証が発効され、入退場はこれにより管理される。会場内には大中小の会議場、また政府のパビリオン、組織のブースなどが設けられ、正式の会議以外に、気候変動の科学、政策、技術の紹介など様々なイベントが開催される。また、組織のブースでは、資料などが配布される。
参加者には、毎回異なるCOPのバッグが配布される。中身はノート、筆記用具などだが、今回のパリでは水筒が含まれており、会場内に水筒用の給水場が用意されていた。ペットボトルを消費しないようにという環境への配慮だろう。